核酸シーケンシング用組成物及び方法
专利摘要:
核酸シーケンシング用組成物及び方法はセンス鎖及びアンチセンス鎖のシーケンシングと、構築物全体の複数回の反復シーケンシングの一方又は両方により冗長な配列決定を実現するために、部分的又は完全に連続する構築物に2本鎖部分を含む鋳型構築物を含む。他の配列成分も場合によりこのような鋳型構築物に含まれる。これらの構築物の使用及び作製方法と、その用途に用いるシーケンシング用組成物も提供する。 公开号:JP2011515102A 申请号:JP2011501822 申请日:2009-03-27 公开日:2011-05-19 发明作者:ケヴィン・トラヴァース;コングコング・マー;ジェフ・オットー;シェリル・ハイナー;スティーヴン・ターナー 申请人:パシフィック バイオサイエンシーズ オブ カリフォルニア, インコーポレイテッド; IPC主号:C12Q1-68
专利说明:
[0001] (関連出願とのクロスリファレンス) 本願は2008年3月28日付け米国仮特許出願第61/072,160号及び2008年9月24日付け米国仮特許出願第61/099,696号の優先権を主張し、その開示内容全体を全目的で本願に援用する。] [0002] 本願は更に2008年12月19日付け米国仮特許出願第61/139,402号、2009年3月27日付け米国特許出願[番号未付与](代理人整理番号01−007701)及び2009年3月27日付け米国特許出願[番号未付与](代理人整理番号01−005902)に関連し、その開示内容全体を全目的で本願に援用する。] [0003] (連邦政府支援研究に関する陳述) 適用外。] 背景技術 [0004] 全生物の枠組みの青写真となる遺伝子コードの解読が可能になり、無数の分野で無数の進歩をもたらしている。疾病診断から進化関係及び/又は多様性の同定、新規材料及び組成物の開発における遺伝子枠組みの操作に至るまで、この解読は既に人類に恩恵を与え、更に今後も与え続けるであろう無数の進歩への扉を開いた。] [0005] これらの進歩に切り離すことができないのは遺伝子コードの解読及び/又は特性決定に用いる技術の進歩であった。例えば、核酸シーケンシング技術の開発により、遺伝子コードを構成する核酸配列の塩基単位の同定が可能になり、完全ヒトゲノムが解明されるに至った。その他の進歩としては、患者又は他の生体サンプルからの遺伝子パターンを比較的簡単に同定できる迅速アレイ技術が挙げられる。] [0006] 個々の技術的進歩に伴い、進歩を遂げた分野に関係する関連又は付随技術の進歩により最新技術を更に改善する可能性がある。例えば、蛍光色素化学の進歩は生体反応とその生成物の簡単な光学解析を可能にすることにより遺伝子技術に更に多くの進歩をもたらした。同様に、マイクロフルーイディク技術の開発は流体及び試薬操作に進歩をもたらし、旧来の手段ではこれまで達成できなかった再現性を実現した。] 発明が解決しようとする課題 [0007] 本発明は遺伝子解析で使用され、このような解析における精度と使用し易さを強化することができる改良型方法、システム及び組成物に関する。] 課題を解決するための手段 [0008] 本発明は改良型核酸鋳型構築物、このような構築物を組込んだ組成物、キット及びシステム、並びにこのような構築物の作製及び使用方法を提供する。] [0009] 第1の側面において、本発明は鋳型核酸セグメントにおけるコンセンサスヌクレオチド配列の決定方法を提供する。前記方法は鋳型核酸セグメントのセンス鎖とアンチセンス鎖を連続核酸分子に配置する段階を含む。次に、ポリメラーゼによる鋳型依存的シーケンシング法でセンス鎖とアンチセンス鎖の両方をシーケンシングする。次に、センス鎖とアンチセンス鎖の配列から標的核酸セグメントのコンセンサス配列を決定する。] [0010] 1関連側面において、本発明は第1及び第2の末端をもつ2本鎖核酸セグメントを含む鋳型核酸を準備する段階を含む核酸配列のシーケンシング方法を提供する。第1のヘアピン型オリゴヌクレオチドが鋳型核酸の各鎖を第1の末端に連結し、第2のヘアピン型オリゴヌクレオチドが鋳型核酸の各鎖を第2の末端に連結する。次に、ポリメラーゼによる鋳型特異的核酸シーケンシング法を使用して鋳型核酸の少なくとも一方の鎖のヌクレオチド配列を決定する。] [0011] 更に別の側面において、本発明は第1及び第2の末端をもつ2本鎖核酸セグメントを含む鋳型核酸を準備する段階を含む核酸配列のシーケンシング方法として、第1のヘアピン型オリゴヌクレオチドが鋳型核酸の各鎖を第1の末端に連結する方法を提供する。次に、ポリメラーゼによる鋳型特異的核酸シーケンシング法を使用して鋳型核酸のヌクレオチド配列を決定する。] [0012] 他の側面では、鋳型核酸セグメントを準備する段階を含む核酸セグメントのシーケンシング方法を提供する。前記セグメントは第1及び第2の相補的核酸鎖と、第1の核酸セグメントの3’末端を第2の核酸セグメントの5’末端に連結する第1の連結核酸と、第1の核酸鎖の5’末端を第2の核酸鎖の3’末端に連結する第2の連結核酸を含む。次に、鋳型核酸配列を鋳型核酸の少なくとも一部に相補的なプライマー配列と接触させる。次に、鋳型依存的プライマー伸長反応をモニターし、鋳型核酸のヌクレオチド配列を決定する。] [0013] 更に別の側面において、本発明は第1及び第2の相補鎖を含む2本鎖セグメントと、第1鎖の3’末端を第2鎖の5’末端に連結する少なくとも第1の1本鎖オリゴヌクレオチドセグメントを含む鋳型核酸を準備する段階と;鋳型依存的合成反応に取込まれたヌクレオチドをモニターし、第1鎖と連結オリゴヌクレオチドセグメントと第2鎖のヌクレオチド配列を同定する段階を含む核酸のシーケンシング方法を提供する。] [0014] 他の好ましい側面では、上記連結オリゴヌクレオチド又はヘアピン型オリゴヌクレオチドの1個以上の内側にプライマー認識配列等の制御配列を配置する。] [0015] 関連側面において、本発明は鋳型核酸セグメントのコンセンサス核酸配列の決定方法として、鋳型核酸セグメントのセンス鎖とアンチセンス鎖を連続核酸分子の内側に配置する方法を提供する。連続核酸分子を連続核酸分子の少なくとも一部に相補的なプライマー配列及びポリメラーゼ酵素と接触及び/又は複合体化させ、複数種のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの存在下で核酸合成複合体を得、個々の複合体を光学的に分解可能に個々の核酸合成複合体を支持体上に配置する。次に個々の複合体により鋳型依存的に核酸合成反応に取込まれたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの配列をモニター及び/又は検出し、センス鎖とアンチセンス鎖の核酸配列を決定する。次にセンス鎖とアンチセンス鎖の核酸配列を使用又は比較し、鋳型核酸のコンセンサス核酸配列を決定する。] [0016] 本発明はプールサンプル法も想定する。例えば、所定側面において、本発明の方法は複数の別個の核酸サンプルの各々から鋳型核酸セグメントを作製する段階を含み、鋳型核酸セグメントは核酸サンプルの2本鎖セグメントを含み、2本鎖セグメントの第1鎖は連結オリゴヌクレオチドにより2本鎖セグメントの第2鎖と連結され、各別個の核酸サンプルにおける連結オリゴヌクレオチドはユニークな識別可能な配列特徴を含む。次に複数の別個の核酸サンプルからの鋳型核酸セグメントをプールし、プールした鋳型核酸セグメントを次にシーケンシングし、識別可能な配列特徴を同定し、シーケンシング段階で同定されたユニークな識別可能な配列特徴に少なくとも部分的に基づいて別個の核酸サンプルに由来する核酸配列を同定する。] [0017] 本発明は更に上記方法で有用な組成物にも関する。1側面において、本発明は第1鎖セグメントと第1鎖セグメントに実質的に相補的な第2鎖セグメントを含む2本鎖核酸セグメントと、第1鎖セグメントの3’末端を第2鎖セグメントの5’末端に連結する少なくとも第1の連結オリゴヌクレオチドセグメントをもつ鋳型核酸を含む組成物を提供する。前記組成物は更に一般に鋳型核酸の少なくとも一部とハイブリダイズし、ポリメラーゼによる核酸合成を開始することが可能なプライマー配列と、ポリメラーゼ酵素の1種以上を含む。] [0018] 本発明は更に本発明の方法の実施に有用な鋳型作製キットも提供する。このようなキットは一般に第1の連結オリゴヌクレオチドと、第1の連結オリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的なプライマー配列と、第1の連結オリゴヌクレオチドを2本鎖鋳型の第1鎖の3’末端と2本鎖鋳型核酸の第2鎖の5’末端に連結するための1種以上のライゲーション試薬を含む。更に、このようなキットは一般に指示プロトコルと、場合により連結オリゴヌクレオチドを解析用サンプルに由来する2本鎖標的核酸セグメントに連結するための試薬も含む。] [0019] 本発明は核酸鋳型のシーケンシング用システムにも関する。前記システムは一般に鋳型核酸と、ポリメラーゼ酵素と、鋳型配列の少なくとも一部に相補的なプライマー配列からなる複合体を含む反応混合物を含み、鋳型配列はセンス鎖とアンチセンス鎖をもつ2本鎖セグメントと、センス鎖の5’末端をアンチセンス鎖の3’末端に連結する少なくとも第1の連結オリゴヌクレオチドと、検出可能な標識基を付けた少なくとも第1のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログと、ポリメラーゼによるプライマー伸長産物への第1のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの取込みを検出するように構成された検出システムを含む。] [0020] 以下、例証の目的で非常に詳細に説明するが、当然のことながら、本発明の範囲内で本発明の各種変形を実施することができる。] 図面の簡単な説明 [0021] 図1−Aは単分子リアルタイムシーケンシング法を模式的に示す。図1−Bは図1−Aに模式的に示した方法を使用した配列読取りの典型的な短いセグメントを示す。 図1−Aは単分子リアルタイムシーケンシング法を模式的に示す。図1−Bは図1−Aに模式的に示した方法を使用した配列読取りの典型的な短いセグメントを示す。] [0022] 本発明で使用される鋳型構築物の2種類の典型的な態様を示す。] [0023] 図2に示した構築物を使用した冗長又はコンセンサスシーケンシングを模式的に示す。] 図2 [0024] 代替鋳型構築物とシーケンシング法におけるその適用を示す。] [0025] 本発明の鋳型構築物を使用したコンセンサスシーケンシング法の全工程を模式的に示す。] [0026] 本発明の鋳型構築物を使用したシーケンシング法の代替アプローチを模式的に示す。] [0027] 本発明で使用される鋳型構築物の典型的な組立方法を模式的に示す。] [0028] 鋳型構築物の代替組立方法を模式的に示す。] [0029] 本発明の別の鋳型作製方法を模式的に示す。] [0030] 本発明の代替鋳型作製方法を模式的に示す。] [0031] 本発明の鋳型構築物からの配列読取りを示す。] [0032] 一塩基変異体鋳型構築物の模式図を示す。] [0033] 実験的にコールした変異体の百分率に対する反応混合物中の変異体鋳型の百分率のプロットを示す。] [0034] 本発明の鋳型構築物を使用した完全大腸菌ゲノムに関する配列カバー率のプロットを示す。] [0035] 複製起点から遠ざかることによる大腸菌ゲノムの複製低下について補正しない場合(パネルA)と補正した場合(パネルB)の両方の大腸菌ゲノムシーケンシングからのカバー率に対する塩基数のプロットを示す。] [0036] 1個の連続鋳型構築物でシーケンシングした大腸菌に由来する大きな反復インサートの模式図を示す。] 実施例 [0037] I.概説 本発明は一般に、核酸配列解析、特に標的核酸のヌクレオチド配列の同定に鋳型依存的合成を利用する配列解析を実施するための改良型方法、システム及び組成物に関する。鋳型依存的合成を利用する核酸配列解析はプライマー伸長反応等の鋳型による合成反応中に個々の塩基又は塩基群を添加しながら同定するが、この場合、塩基の種類は合成中にプライマー配列をハイブリダイズさせる鋳型配列に相補的である必要がある。他のこのような方法としては、基礎鋳型配列中のヌクレオチド配列を同定するためにオリゴ又はポリヌクレオチドを前記配列と複合体化するライゲーション法が挙げられる。一般に、このような方法はDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素等の核酸ポリメラーゼ、又はライゲーション法の場合には他の酵素(例えばリガーゼ)を使用して酵素により実施される。] [0038] 鋳型依存的合成を使用する配列解析としては多数の各種方法が挙げられる。例えば、広く実施されている4色サンガーシーケンシング法では、鋳型分子集団を使用して相補的フラグメント配列集団を作製する。各種ターミネーター(ddATP,ddGTP,ddTTP,ddCTP)に検出可能な異なるラベルを付けた色素標識ターミネーターヌクレオチド(例えばジデオキシリボヌクレオチド)のサブ集団と共に、4種類の天然ヌクレオチドの存在下でプライマー伸長を実施する。その結果、プライマーを越えて配列中の各ヌクレオチドを末端とし、末端のヌクレオチドを同定できるように標識されたフラグメントの入れ子セットが形成される。その後、例えばキャピラリー電気泳動を使用して入れ子フラグメント集団をサイズ分離し、各サイズのフラグメントに付随するラベルを同定し、末端のヌクレオチドを同定する。その結果、分離システム内の検出器を通過するラベルの配列から合成フラグメントの配列情報を直接読取り、相補性により、基礎鋳型の配列情報を読取ることができる(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第5,171,534号参照)。] [0039] 鋳型依存的シーケンシング法の他の例としては、成長中のプライマー伸長産物に個々のヌクレオチドを添加しながら反復同定する合成法によるシーケンシング法が挙げられる。] [0040] パイロシーケンシング法は得られた合成混合物をシーケンシング反応の副生物、即ちピロリン酸の有無についてアッセイすることによりヌクレオチドの取込みを同定する合成法によるシーケンシング法である。特に、プライマー//鋳型/ポリメラーゼ複合体を単一種のヌクレオチドと接触させる。このヌクレオチドが取込まれるならば、重合反応により三リン酸鎖のα及びβリン酸間でヌクレオシド三リン酸が切断され、ピロリン酸が遊離される。その後、AMPを含むピロリン酸をATPに変換後にルシフェラーゼ酵素を使用してATPを測定し、測定可能な光シグナルを発生する化学発光酵素レポーターシステムを使用して遊離したピロリン酸の存在を同定する。光が検出される場合には、塩基は取込まれ、光が検出されない場合には、塩基は取込まれない。適切な洗浄段階後に、各種塩基を周期的に複合体と接触させ、鋳型配列中の後続塩基を順次同定する(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第6,210,891号参照)。] [0041] 関連方法では、プライマー/鋳型/ポリメラーゼ複合体を支持体に固定化し、複合体を標識ヌクレオチドと接触させる。複合体の固定化はプライマー配列、鋳型配列及び/又はポリメラーゼ酵素を介して行うことができ、共有結合でも非共有結合でもよい。一般に、特に本発明による好ましい側面はポリメラーゼ又はプライマーと支持体表面の結合により複合体の固定化を行う。この結合には各種結合が有用であり、例えばビオチン−PEG−シラン結合成分を使用して例えばビオチン化表面成分を準備した後に、固定化しようとする分子をビオチン化し、その後、例えばストレプトアビジン架橋により結合する方法が挙げられる。他の合成カップリング成分や、非特異的蛋白質吸着も固定化に利用できる。代替構成では、除去可能なターミネーター基を付けたヌクレオチドと付けないヌクレオチドを準備する。ラベルは取込まれると複合体と結合するので検出可能になる。ターミネーターを付けたヌクレオチドの場合には、個々に識別可能なラベルを付けた全4種類の異なるヌクレオチドを複合体と接触させる。標識ヌクレオチドが取込まれると、ターミネーターの存在により伸長できなくなり、ラベルが複合体に付加される。次に、取込まれたヌクレオチドからラベルとターミネーターを除去し、適切な洗浄段階後に方法を繰返す。ターミネーターを付けないヌクレオチドの場合には、パイロシーケンシング法と同様に単一種の標識ヌクレオチドを複合体に添加し、ヌクレオチドが取込まれるか否かを判定する。ヌクレオチド上のラベル基の除去と適切な洗浄段階後に、各種ヌクレオチドを同一方法で反応混合物に通して繰返し反応させる(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第6,833,246号参照)。] [0042] 合成法による更に別のシーケンシング法では、鋳型依存的合成を実施しながら別個に標識したヌクレオチドの取込みをリアルタイムで観測する。特に、蛍光標識ヌクレオチドの取込みと同時に個々の固定化プライマー/鋳型/ポリメラーゼ複合体を観測すると、各塩基を添加しながら添加した各塩基のリアルタイム同定が可能になる。この方法では、取込み中に切断されるヌクレオチドの一部にラベル基を付ける。例えば、取込み中に除去されるリン酸鎖の一部(即ちヌクレオシドポリリン酸上のβ、γ又は他の末端リン酸基)にラベル基を付けることにより、ラベルは新生鎖に取込まれず、天然DNAが生成される。個々の分子の観測には、一般に非常に小さい照射容積内への複合体の光閉じ込めが必要である。複合体を光学的に閉じ込めることにより、ランダムに拡散するヌクレオチドが非常に短時間存在すると共にヌクレオチドが取込まれるにつれて観測容積内に長時間維持されるモニター領域を形成する。この結果、取込みイベントに関連すると共に添加されている塩基の特徴を表すシグナルプロファイルにも特徴付けられる特徴的シグナルが得られる。関連側面では、複合体のポリメラーゼ又は他の部分と添加するヌクレオチドに蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)色素対等の相互作用性ラベル成分を付け、取込みイベントにより標識成分が相互に接近すると、上記と同様に添加されている塩基の特徴を表す特徴的シグナルが得られるようにする(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第6,056,661号、6,917,726号、7,033,764号、7,052,847号、7,056,676号、7,170,050号、7,361,466号、7,416,844号及び公開米国特許出願第2007−0134128号参照)。] [0043] このような単分子リアルタイム(SMRT(登録商標))法に基づく典型的なシーケンシング法の1例を図1に模式的に示す。図1AのパネルIに示すように、例えばゼロモード導波管100の照射により形成されたエバネッセント光領域による閉じ込め照射容積(破線108で示す)内、又は内部全反射蛍光顕微鏡システムもしくは他の光閉じ込めシステムに、ポリメラーゼ酵素102と、鋳型配列104と、鋳型配列104の一部に相補的なプライマー配列106を含む核酸合成複合体を上記のように固定化する。] [0044] 複合体の周囲の反応混合物はその末端リン酸基を介して結合したスペクトルで区別可能な蛍光ラベルで各々標識した4種類の異なるヌクレオチド(A,G,T及びC)を含む。照射容積は非常に小さいため、ヌクレオチドとその付随蛍光ラベルは非常に迅速に照射容積内外に拡散するので、非常に短い蛍光シグナル(下部模式データプロットに短パルス110として示す)しか発生しない。特定ヌクレオチドがポリメラーゼによりプライマー伸長反応に取込まれると、ヌクレオチドに付随する蛍光ラベルはより長時間にわたって照射容積内に維持される(長パルス112として示す)。一旦取込まれると、蛍光ラベルはポリメラーゼの作用により塩基から切断され、ラベルは拡散する。] [0045] スペクトル特徴の異なる長パルスを同定することにより、各塩基が取込まれている間に取込まれたその塩基の種類をリアルタイムで検出することができる。このような方法からの配列読取りの短いセグメントの典型的なプロットを図1Bに示し、そのスペクトル特徴に基づいて取込みが同定されたヌクレオチドを夫々のパルスの上部に示す。取込みに関連しない短パルスは非常に短くなる傾向があるため、カメラに検出されないが、取込みからのパルスは例えば図1Bに示すように、より顕著な検出可能なパルスとなる。] [0046] 特定のSMRT(登録商標)シーケンシング法について記載するが、当然のことながら、本発明のシーケンシング組成物によると、β、γ又は他のより末端のリン酸基を介してヌクレオチドと結合した蛍光色素ラベルの存在を含む各種の異なるメカニズムのいずれかによりヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを検出できると思われる。例えば、上記に示唆したように、システムのどこか(例えばポリメラーゼ、プライマー、ヌクレオチド自体、又は支持体上)でその相補配列と相互作用するFRET対(色素、半導体ナノ結晶等)の一方又は両方のメンバー等の相互作用性成分をヌクレオチドに付けることができる。同様に、他の近接成分のシグナル機能を変化させるエネルギー供与体又はクエンチャー等の他の相互作用性成分をこれらのヌクレオチドアナログに付けることができる。同様に、電気化学システム(例えばChemFETセンサー、ナノポアセンサー)(例えばClarke et al.,Nature Nanotechnology,2009年2月22日オンライン出版|doi:10.1038/nnano.2009.12)等により検出可能な高電荷部分、磁性粒子等の非光学ラベルも利用できる。更に、本明細書に記載するヌクレオシドポリリン酸は一般に使用されるポリメラーゼにより取込み可能な三リン酸、四リン酸、五リン酸、六リン酸、又は他のリン酸鎖長を含むことができる。検出可能な標識基を付けたものを含むこのような化合物は例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第7,041,812号に記載されている。] [0047] 多数のアプローチ(例えば上記のような単分子法)では、単一複合体の合成反応をモニターできるように、核酸合成複合体を個々に光学的に分解可能な構成で提供することが望ましい場合がある。このような複合体を個々に分解可能な構成で提供することは多数のメカニズムにより実施することができる。例えば、固定化に適した支持体表面に複合体の希釈溶液を配置することにより、個々に光学的に分解可能な複合体を提供することが可能になる(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用するBalasubramanian,et al.のヨーロッパ特許第1105529号参照)。あるいは、複合体を結合する低密度活性化表面を提供することもできる(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する公開国際特許出願第WO2007/041394号参照)。その観測を容易にするために、このような個々の複合体を平坦な支持体に配置するか又は他の方法で他の構造(例えばゼロモード導波管や導波管アレイ)に組込むことができる。] [0048] II.連続2本鎖鋳型 本発明はこれらの組成物を鋳型特異的なシーケンシング法で利用するための新規鋳型構成及び方法を提供する。これらの組成物及び方法は本明細書に記載する種々の鋳型特異的方法の全てで有用であるが、説明を簡単にするために、無数の利点が得られる好ましい単分子リアルタイムシーケンシング法について主に説明する。特に、本発明は一般にシーケンシング法の精度を改善するために改良型鋳型配列を利用する核酸配列に関する。例えば、少なくとも1側面において、本発明の鋳型組成物は一般に2本鎖セグメント又は自己相補的(即ち相互に相補的)な1対のサブセグメントの存在を特徴とする。特定状況において、鋳型構築物に含まれる標的核酸セグメントは一般に実質的に2本鎖セグメントから構成され、例えば標的セグメントの>75%、又は>90%が2本鎖又は自己相補的となる。説明を簡単にするために、全面的に相補的であるか又は大部分が相補的である(例えばオーバーハング領域又は二次ループ構造等の他の非相補的部分をもつ)かに関係なく、これらの2本鎖標的セグメントを本明細書では相補的又は実質的に相補的と言う。状況から2本の鎖の間の完全な相補性が意図され、必要である場合又はそのように明示される場合には、「完全に相補的」又は「全面的に相補的」なる表現を使用する。] [0049] 2本鎖セグメントを構成する鎖及び/又は自己相補鎖は本発明の関連では少なくとも部分的に連続しており、好ましい側面では完全に連続している。本明細書で使用する場合、2本の鎖は各鎖の少なくとも一端が結合しているときに部分連続と言い、両端が結合し、完全な環状鎖構成となるときに完全連続と言い、このような結合はセンス鎖とアンチセンス鎖の末端の直接結合でもよいし、連結オリゴヌクレオチドを介してもよい。当然のことながら、鎖構成に関して使用する場合に環状なる用語は単に末端ヌクレオチドを含まない核酸鎖(例えばループ)を意味し、必ずしも特定の幾何構成を意味しない。] [0050] 部分的及び完全に連続する本発明の鋳型構成の例を夫々図2A及び2Bに模式的に示す。特に、図2Aは、例えば標的配列又はその部分に相当する2個の相補的セグメント202及び204から構成される2本鎖部分を含む部分連続鋳型配列200を示す。図に示すように、セグメント202の3’末端は連結オリゴヌクレオチド206によりセグメント204の5’末端と連結され、鋳型の1本鎖部分を形成し、部分連続配列となる。これに対して、図2Bは完全連続鋳型配列210を示す。配列210は上記と同様に2個の相補的セグメント212及び214から構成される2本鎖部分を含む。図2Aの部分連続配列と同様に、セグメント212の3’末端はオリゴヌクレオチド216によりセグメント214の5’末端と連結され、第1の1本鎖部分を形成する。更に、セグメント212の5’末端は連結オリゴヌクレオチド218によりセグメント214の3’末端と連結され、第2の1本鎖部分を形成し、完全連続ないし環状鋳型配列となる。] 図2A 図2B [0051] 典型的なシーケンシング法では、2本鎖標的核酸(例えば望ましい配列情報の核酸)を本発明の鋳型構成に加工する。一般に、このためには、より大きい2本鎖核酸(例えばゲノム、プラスミド又はその部分等)の集団をより小さいオーバーラップする2本鎖標的核酸又は核酸フラグメントのプールに断片化する。次に、上記に記載し、以下に詳述する連結オリゴヌクレオチドが得られるように2本鎖フラグメントを処理する。センス鎖とアンチセンス鎖を連結する連結オリゴヌクレオチドを得るには、本明細書に記載するような多数の方法を利用することができる。単純な1例では、外来ヘアピン型アダプター配列を使用し、単に2本鎖フラグメントの末端にライゲーションし、このような連結オリゴヌクレオチドを形成する。このような外来ヘアピン型アダプターは一般に長い配列の両端に2個の相補的核酸配列セグメントを含み、前記セグメントは別の非相補的ヌクレオチド配列により分離されている。その結果、1本鎖ループと結合した2本鎖ステム構造を含む構造が得られる。このようなヘアピン構造の例は従来記載されている(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第6,498,023号、6,451,563号及び7,368,265号参照)。一般に、このような構造は従来の核酸合成技術を使用して容易に合成される。多数の他の方法は連結オリゴヌクレオチド構造の作製に代替アプローチを利用しており、これらの方法については以下に記載する。] [0052] 各種標的核酸フラグメントの配列決定後、各種のオーバーラップするフラグメントからの配列データ間のオーバーラップを同定及び整列することにより、出発標的核酸の配列を決定する。] [0053] 本発明の鋳型は単純な直鎖状鋳型配列及び他の環状鋳型配列に勝る多数の利点を提供する(シーケンシング用途の環状鋳型については、例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第7,302,146号参照)。特に、環状鋳型と同様に、本発明の鋳型構成は単分子コンセンサス配列決定を可能にし、所定鋳型をシーケンシングすると、得られる配列情報のコピー又は複製データが得られるため、所定鋳型配列からコンセンサス配列データを誘導するために使用可能な所定鋳型配列もしくは配列部分、及び/又はこのような配列内の特定塩基位置に複数の読取りを提供することにより、直鎖状鋳型よりも精度を改善する。これらの鋳型では、一面において、完全連続鋳型では鋳型構造全体の環状特性によりコンセンサス配列決定が可能になり、コンセンサスベースコール及び/又はコンセンサス配列を得るために同一分子の反復プロセシングが可能になる。上記に加えて、又はその代わりに、本発明の鋳型は2本鎖セグメントを含むため、(部分及び完全連続構成の両方で)このような配列のセンス鎖とアンチセンス鎖の両方のシーケンシングによりコンセンサス配列決定が可能になる。本明細書では主にコンセンサス配列決定と言うが、当然のことながら、コンセンサス決定レベルは配列内の所定塩基位置の個々の塩基レベルに及び、配列について言うならば、特定配列のコンセンサス配列データが得られる。従って、本発明は鋳型配列内の個々の位置のコンセンサスベースコール(ヌクレオチド同定)も包含する。] [0054] 一例として、図2Aに示す部分連続鋳型では、センス鎖(例えばセグメント202)とアンチセンス鎖(例えばセグメント204)の両方をシーケンシングするので、完全配列(例えばセグメント202,204及び206の完全配列)の獲得がコンセンサス配列決定手段となる。統合方法でシーケンシング可能なセンス配列及びアンチセンス配列読取りが単一鋳型分子から得られることに加え、連結セグメント206の存在により、一方のセグメント(例えば202)が完了し、他方(例えば204)が開始する時点の識別を可能にするレジストレーション配列を得ることも可能になる。このようなレジストレーション配列は同一鋳型配列(例えば同一分子又は鋳型集団中の同種分子量等)からの複数の配列読取りからのアラインメント配列データの基礎となる。シーケンシング法の進行を図3Aに模式的に示す。特に、図に示すように、部分連続鋳型の開放末端から開始する(例えばプライミングされる)シーケンシング法は第1ないしセンス鎖に沿って進められ、得られる模式的配列読取りに示すように、この鎖のヌクレオチド配列(A)が得られる。方法は次に鋳型の連結オリゴヌクレオチドに沿って進められ、このセグメントのヌクレオチド配列(B)が得られる。方法は引き続きA配列のアンチセンス鎖に沿って進められ、ヌクレオチド配列(A’)が得られ、この配列を使用すると、センス鎖のコンセンサス配列をそのアンチセンス対応部分として誘導又は決定することができる。上記のように、B配列は外部から得られ、従って、既知であるため、シーケンシング反応と、従って鋳型構築物全体から獲得される配列データがセンス鎖からアンチセンス鎖に移行する配列決定中の点を指示するレジストレーション配列としても利用できる。] 図2A 図3A [0055] 本発明により構成される完全連続ないし環状鋳型配列では、コンセンサス配列情報を統合することができる複製配列読取りデータを獲得する可能性は更に増す。特に、図2Aに示す部分連続配列と同様に、完全連続配列でもセンス配列データとアンチセンス配列データが得られる。更に、このような鋳型では鋳型の環状構成により、同一分子の複数回の反復シーケンシングが可能になる。換言するならば、シーケンシング法は完全連続配列に沿って進められ、相補配列からの各セグメントを繰返しシーケンシングすることにより、このセグメントの配列データと各セグメント内の配列データを繰返し獲得することができる。このような配列データの全部又は部分はその後、鋳型とその各種セグメントのコンセンサス配列を誘導するのに有用である。これを図3Bに模式的に示し、上記と同様に得られる配列読取りの代表的なパターンも同時に示す。図に示すように、一端でプライミングされる(例えば一方の連結オリゴヌクレオチド配列、例えば図2の連結オリゴヌクレオチド218の内側でプライミングされる)シーケンシング法は第1ないしセンス鎖214に沿って進められ、上記と同様にこの鎖のヌクレオチド配列Aが得られる。シーケンシング法は次に第1の連結オリゴヌクレオチド(例えば図2の連結オリゴヌクレオチド216)に沿って進められ、鋳型のこのセグメントのヌクレオチド配列Bが得られる。更にアンチセンス鎖(例えば図2Bのセグメント212)に沿って進められ、上記と同様に配列Aに相補的なヌクレオチド配列A’が得られる。シーケンシング法は引き続き鋳型に沿って進められ、図例のシーケンシング法の開始点である他方の連結オリゴヌクレオチド(例えば図2Bの連結オリゴヌクレオチド218)のヌクレオチド配列が得られ、ヌクレオチド配列Cが得られる。鋳型は環状であるため、この方法を続けると、例えば第2ラウンドの配列データ(A−B−A’−C−A−B−A’)の提供として示すように、1個の鋳型から複数の反復配列読取りが得られる。従って、相補配列A及びA’の決定と、各セグメントの反復シーケンシングの両方から配列冗長性が得られる。] 図2 図2A 図2B 図3B [0056] 当然のことながら、環状鋳型の反復シーケンシングにおいて、本明細書の他の箇所に記載するような鎖置換型ポリメラーゼは鋳型1周毎に新生鎖に置換し、連続シーケンシングが可能になるため、特に好ましい。他のアプローチでも同様にこのような反復シーケンシングが可能であり、例えば5’−3’エキソヌクレアーゼ活性をもつ酵素を反応混合物中で使用し、合成後に新生鎖を消化する方法が挙げられる。] [0057] 当然のことながら、本明細書の他の箇所に記載するように、同一配列であるかその配列の相補配列であるかに関係なく、また、個々の配列であるか例えばコンカテマーとしてのその配列の反復コピーであるかに関係なく、所定のヌクレオチド配列の反復シーケンシングにより、その配列セグメントのコンセンサス配列を統合することが可能になる。特に、所定配列の反復配列読取り、及び/又はある配列とその相補配列の読取りを利用し、その配列セグメントのコンセンサスヌクレオチド配列を決定することができる。換言するならば、配列中で読み出される各塩基は特定位置の複数の読取り及び/又はその位置とアンチセンス鎖におけるその相補配列の読取りに基づくその位置のコンセンサスベースコールにより決定することができる。その後、これらの複数の読取りを統合又は比較すると、所定位置における所定塩基のコンセンサス決定が得られ、その結果、特定配列セグメントのコンセンサス配列が得られる。] [0058] 本明細書では所定配列の複数の読取り及び/又はこの配列のセンス鎖とアンチセンス鎖からの配列データを比較又はアセンブルすると言うが、当然のことながら、配列のこの位置の複数の読取りからの特定ベースコールにコンセンサス決定を割り当てる任意方法、及び/又はこのセグメントのコンセンサス配列全体を得ることも「比較」なる用語に想定及び包含される。このような方法としては実際の並行比較、反復読取り又は相補配列からのコールを発生数によりスコアするスコアリング法、及び場合により又は代法として、所定位置の塩基の複数の指示からのベースコールを割り当てるための複雑なアルゴリズムを補足するシグナル/ベースコールマトリクスが挙げられる。] [0059] 一例として、所定のこのような方法は(同一又はコピー配列セグメントからの)コピー配列読取りであるか、他方の鎖におけるその相補配列に由来するかに関係なく、一般に塩基に由来するデータをその配列位置の他の決定に由来するデータと統合するアルゴリズムを包含する。] [0060] このようなデータの統合の1分類は、塩基に由来するシグナルとその位置又はその相補配列からの他の読取りに由来するシグナルの関連付けを決定する第1段階と、それに続いてこれらのデータを統合する第2段階を含む。このような関連付けを決定する方法は当分野で公知であり、複数配列アラインメントの発見的方法、複数配列アラインメントの最適方法、及び隠れマルコフモデルが挙げられ、最も広義には、これらの全アルゴリズムは入力読取りで対応する塩基を整列させようとするという点で共通している。このような関連付けはベースコールのみに限定されず、シグナルに関連するチャネル、振幅、幅、又は他の時間依存的パターン等のシグナルの固有特徴に由来することができる。予め関連付けられた塩基からのデータの統合用として当分野で公知のアルゴリズムとしては、Plurality、品質加重Plurality、ベイジアン法、及びマシン学習アプローチ(ニューラルットワーク、自己組織化マップ)が挙げられ、一般にこれらのアルゴリズムは提示される証拠を多くの場合には関連するエラー確率でコンセンサスベースコールに分類するという点で共通している。この分類のアルゴリズムには、結果の品質改善や計算時間の短縮等の有益な影響を与える付加段階をこれらの段階の前、後及び間に含む多数の変形が存在する。例えば、このような方法の1例では、前記関連付けでエラーが生じる確率を評価するために、前記第1段階で他の塩基に関連付けたデータを前記第2段階中又はその後に参照する。関連付け段階は単分子からの読取り間、又は異なる分子からの読取り間に実施することができる。] [0061] 別のデータ統合方法では、ある配列読取り(例えばセンス鎖)について先ずコンセンサスを決定し、別の読取り(例えばアンチセンス鎖)について別のコンセンサス配列を決定する。これらの配列は当分野で公知の方法により決定することができ、複数配列アラインメントの発見的方法、複数配列アラインメントの最適方法、又は隠れマルコフモデルと、Plurality、品質加重Plurality、ベイジアン法、又はマシン学習アプローチ(ニューラルットワーク、自己組織化マップ)等のコンセンサス決定アルゴリズムの併用が挙げられる。その後、複数配列アラインメントの発見的方法、複数配列アラインメントの最適方法、又は隠れマルコフモデル等のアルゴリズムと、Plurality、品質加重Plurality、ベイジアン法、又はマシン学習アプローチ(ニューラルットワーク、自己組織化マップ)等のコンセンサス決定アルゴリズムの併用により、これらのコンセンサス配列を関連付け及び統合することができる。] [0062] 別の分類のアルゴリズムは1段階で関連付けと統合を実施する。これらの方法は観測される読取りで最も尤度の高い鋳型を見出そうとする確率モデルから開始する。このようなモデルは確率グラフィックモデルの分類に属し、ベイジアンネットワーク、隠れマルコフモデル、ニューラルネットワーク、及び条件付きランダムフィールドが挙げられる。このようなモデルへの入力はベースコールのみに限定されず、個々の配列品質、配列コンテキスト、及び原シグナルの特性の局所又は総合測定値でもよい。これらのモデルによるコンセンサス決定は確率モデルの制約下で観測される読取りの尤度を最大にする鋳型を見出すことにより進められる。通常、このような方法は1個以上の有望なコンセンサス配列を作成し、各配列の尤度を順位付けするためのスコアリング情報を提供することができる。本明細書の記載の目的では、所定セグメントの反復配列読取り(センス鎖とアンチセンス鎖の読取りを含む)からコンセンサス配列を読み出す方法を一般に本明細書では「比較」と言う。] [0063] コンセンサス配列決定に関する上記側面に加え、本発明の鋳型構造には多数の他の顕著な利点がある。例えば、完全連続構築物では、その基本的環状構造からこれらの鋳型の多数の利点が得られる。例えば、本発明の完全連続鋳型は環状構造であるため、鋳型全体がシーケンシングされるか又は少なくともシーケンシング可能であるという予想の下に、ポリメラーゼによる合成法とシーケンシングを鋳型内の任意点で開始することができる。これに対して、直鎖状鋳型配列では、シーケンシング用鋳型の上流部分が得られないという危険がある。その結果、直鎖状鋳型を利用する場合には、配列開始法(別称「ホットスタート」法)を一般に使用し、例えば合成と配列データ収集を開始する準備が整うまで主要試薬の添加を保留する。] [0064] シーケンシング開始法の必要がないことに加え、このような環状鋳型を使用すると、必ずしも鋳型の完全配列を得る必要なしに、同一鋳型分子の異なる部分から配列データを得ることが可能になる。例えば、単分子シーケンシング法、又は同種鋳型分子の集団を利用するシーケンシング法では、各サブセットが例えば同一鋳型配列内に含まれる他の各サブセットに文脈的に関連するという認識の下に、鋳型分子に関する配列情報の複数のサブセットを得ることができる。本発明のこの側面を対合末端シーケンシング法に関して以下に詳述する。] [0065] 例えば、これらの鋳型の構造により、任意長の標的核酸から環状鋳型を有効に作製することができる。特に、それ自体の自己相補的セグメントを含んでいてもよい外来連結配列を使用することができるので、非常に短い2本鎖オリゴヌクレオチドフラグメントを有効に環化することができる。特に、1本鎖核酸セグメントの環化にはセグメントを環化するために一般に少なくとも30ヌクレオチド長の配列が必要であり、アダプター配列等の添加も必要であると思われる。他方、本発明の鋳型を使用すると、著しく短い長さの標的核酸を環状鋳型に加工することができる。特に、50塩基、20塩基、又は10塩基以下の標的配列を容易に環状鋳型に加工することができる。更に、本発明の鋳型構築物の利用には逆のことも言える。特に、これらの構成を使用すると、大型環状核酸の作製に付随する困難の多くを伴わずに、非常に大きい2本鎖標的配列から完全連続ないし「環状」鋳型を有効に提供することができる。特に、例えば>100塩基2本鎖(合計ヌクレオチド)、>500塩基2本鎖、>1000塩基2本鎖、>5000塩基2本鎖、更には>10,000塩基2本鎖の非常に大きな2本鎖インサートを鋳型構築物の作製に有効に利用することができる。] [0066] 本発明の鋳型構成は1本鎖核酸サンプルセグメントを扱う必要がないという点でも有利である。例えば、2本鎖の標的核酸(例えばPCR産物、ゲノムフラグメント等)を利用する場合には、一方の鎖の3’末端を他方の鎖の5’末端又は一方の鎖の5’末端を他方の鎖の3’末端に連結する連結セグメントを配置することにより、これらの核酸を本発明の鋳型分子に容易に加工することができる。上記のように、本発明によると、例えば50塩基対以下、20塩基対以下、又は10塩基対以下の比較的小さい2本鎖セグメントを環状鋳型に容易に組込むことができる。一般に、2本鎖セグメントは構造的に剛性であるため、環化には数百塩基対長のオーダーのセグメントが必要である。しかし、本発明の方法はもっと小さいセグメントから環状鋳型を提供することができる。] [0067] 本発明の鋳型構成は更に1本鎖部分と2本鎖部分の両方が同一鋳型内に共存することによる利点も提供する。一例として、1本鎖連結オリゴヌクレオチドは特定プライマー認識配列をもつように選択できるだけでなく、必要な1本鎖構造でプライマーとポリメラーゼの結合部位を配置することができるため、変性段階の必要なしにプライマーアニーリングとポリメラーゼ複合化が可能になる。他の2本鎖鋳型に勝る利点は自明であるが、他の1本鎖鋳型に対するプライミングの利点もある。特に、1本鎖セグメントと高親和性で結合するポリメラーゼを利用する場合には、鋳型の比較的小部分のみが1本鎖であるときにポリメラーゼ結合をより良好に制御することができ、例えば所望のプライミング部位と結合するように誘導することができる。このようなポリメラーゼの各種例が入手可能であり、例えばΦ29型ポリメラーゼ(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第5,001,050号、5,576,204号参照)とその誘導体や、他の鎖置換型ポリメラーゼ(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する国際特許出願第WO2007/075987号、WO2007/075873号、WO2007/076057号参照)が挙げられる。] [0068] 他方、多くの場合には鋳型の1本鎖部分がプライミング部位として利用され、有利であるが、上記とは逆に、場合により鋳型の2本鎖部分の内側でプライミングを行うこともでき、例えば標的配列に特異的なプライマーを使用できる。] [0069] 更に、プライマー結合部位の配置に多少の制御可能性が得られるが、このような特性は他の1本鎖鋳型では得られないと思われる。特に、鋳型材料のランダムな複数のプライミングを避けることが一般に望まれるので、大きい標的核酸のプライマー配列の選択は困難になる可能性がある。従って、一般に非常に特異的になるように注意深くプライマー配列を選択する必要があり、比較的長い配列が必要になる。しかし、2本鎖核酸としての大きい標的フラグメントはプライマー結合に利用できないので、最少量の1本鎖材料を鋳型集団の内側に(例えばこれらの部分を連結オリゴヌクレオチドの内側に)配置することにより、所望のプライミング位置に対する特異性を維持しながら実質的に短いプライマーを利用することができ、それらの配列の認識により更に強化できる。更に、鋳型に対する実質的に高い親和性を提供するように構築されたプライマーを利用することができ、鋳型に対するこのような高親和性によりランダムないし非特異的プライミングの率が高くなるという問題も伴わない。特に、より緊密な結合プライマー配列(例えばGCリッチ配列)を選択できると共に、非天然ヌクレオチド又はヌクレオチドアナログ(例えばペプチド核酸(PNA)又はロック核酸(LNA))をその構造内に含むプライマーを利用できるため、より高い親和性で鋳型と対合することが明らかである。] [0070] 上記利点に加え、本発明の部分連続鋳型は多数の個別の利点も提供する。一例として、場合により、連結オリゴヌクレオチドセグメントに加えて標的セグメントの一部が1本鎖セグメントとして存在することができる部分連続鋳型を提供することができる。どの鎖が1本鎖セグメントとして提供されるか(例えば鋳型の5’末端か3’末端か)に応じて、異なる代替方法がシーケンシングと特にプライミングに提案される。例えば、1本鎖部分が3’末端を含む部分である構成では、1本鎖部分が鋳型の残余をシーケンシングするためにプライマー結合位置となる。これに対して、鋳型の5’末端を1本鎖部分として提供することにより、鋳型自体がポリメラーゼによる合成と、従ってシーケンシング用のプライマーとなる。他の構成では、他の完全連続鋳型構造の2本鎖セグメントの内側に(本明細書の他の箇所に記載するような)ギャップないしニックを形成し、ポリメラーゼ結合用プライミング部位とすることができる。] [0071] これらの構成と代替合成/シーケンシングアプローチを図4A、4B及びCに模式的に示す。図4Aに示すように、2本鎖部分402と1本鎖連結オリゴヌクレオチド部分404を含む部分連続鋳型400を準備する。標的配列の一部も1本鎖として配置する(例えばセグメント406)。図4Bは1本鎖部分が鋳型の3’部分である構成を示す。特に、合成及びシーケンシング用プライマー(例えばプライマー408)の結合位置として1本鎖セグメント406を使用することができる。その後、矢印により示すように、シーケンシングは鋳型の残余に沿って進められる。] 図4A 図4B [0072] これに対して、図4Cに示すように、鋳型の5’部分は1本鎖セグメント406として提供される。従って、鋳型402の2本鎖部分は矢印で示すように1本鎖部分406の合成とシーケンシングを可能にするための自己プライマーとして機能する。例えば3’末端をエキソヌクレアーゼ消化から保護するために他の成分(例えばホスホロチオエート等)を鋳型構造に加えることができる。] 図4C [0073] 上記全利点に加え、本発明の鋳型構成のセンス/アンチセンスコンセンサス配列決定の側面に関して、本明細書に記載する鋳型は4種類の異なるヌクレオチドの取込みに3種類以下の異なる検出可能なイベントを利用するシーケンシング法で適用することができる。特に、多くのシーケンシング法は別々に検出可能な別個のラベル基(例えば蛍光ラベル)で各々標識された4種類の異なるヌクレオチドを利用する。過去に、3種類以下の別個の標識基を使用してシーケンシング操作を実施することは提案されている。一例として、提案されている方法の1つは2種類のみの別個のラベルで標識したヌクレオチドを利用しており、一方のラベルを特定ヌクレオチドに付け、他方を他の全ヌクレオチドに付けている。ヌクレオチドの3種類に付けたラベルは単に特異的標識ヌクレオチドの各々の間の相対コンテキスト又はスペーシングを提供するために配置される。しかし、完全な配列情報を得るには各塩基に特定ラベルを付けるために鋳型を少なくとも3回、大半の場合には4回通過することが必要であった。] [0074] 本発明の鋳型のコンテキストでは、センス配列とアンチセンス配列の両方が鋳型構築物の内側に共存するため、3種類以下の別個の標識イベントを使用して所定鋳型を1回通過するだけで完全な配列情報が得られる。特に、2種類の非相補的ヌクレオチド(例えばAとG)に同一ラベルを付け、第2及び第3のラベルをT及びCヌクレオチドに付けることにより、センス鎖とアンチセンス鎖を比較し、他方の鎖から個々に同定されたT又はCとのその相補性により、同様に標識した塩基のどちらがAでどちらがGかを同定することにより、完全配列を得ることができる。同様に、2種類のみの区別可能なラベルを使用してセンス鎖とアンチセンス鎖から完全な標的配列情報を有効に得ることができる。特に、第1のラベルを4種類のヌクレオチドの一方の組(例えばAとG)に付けると同時に、センス鎖のシーケンシング用に第2のラベルを他方の組(TとC)に付けることができる。次に、標識構成をアンチセンス鎖のシーケンシング用に転換し、例えば第1のラベルをA及びC塩基に付け、第2のラベルをG及びT塩基に付ける。次に配列データを比較すると、各塩基の厳密な種類が同定される。操作中に、第1の標識構成の存在下でシーケンシングを実施した後に、第2の標識構成をもつ新規試薬を例えば洗浄段階で導入する。当然のことながら、シーケンシングを反復すると、この場合も上記のようにコンセンサス配列データを得ることが可能になる。] [0075] III.付加配列 各鋳型分子内のコンセンサスの可能性の利点と上記の他の利点に加え、鋳型構成は鋳型分子に他の配列を付加する可能性のある各種鋳型依存的シーケンシング法の多く又は全部に多数の種々の利点がある。] [0076] 例えば、場合により、鋳型配列全体の内側に目印を付けるため、例えば反復配列データのアラインメントを提供するため、コンセンサス配列読取りにおけるカバー率レベルを確認するため、コンセンサス配列(例えば鋳型全体のアンチセンス鎖又は反復配列)内に向かって進行しているシーケンシング法における点を識別するため等のレジストレーション配列として結合ないし連結配列を選択及び/又は観測することができる。] [0077] 更に、このような配列はこのような鋳型を使用するシーケンシング法に制御の可能性を提供することができる。例えば、上記のような完全連続配列の場合に好ましいことであるが、重合を開始するためにプライマー認識配列を連結オリゴヌクレオチドに組込むことができる。上記のように、2本鎖セグメントとして存在する配列の標的部分と結合しないため、プライマー配列の種類と構成に関する柔軟性が増す。] [0078] 例えばハイブリダイズしたプローブや可逆的に修飾したヌクレオチド等により、付加的制御配列(例えば合成開始の制御を可能にする配列)も配置することができる(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許出願第2008−0009007号参照)。他の制御配列としては、転写因子の結合部位が挙げられる。例えば、lacリプレッサー蛋白質と結合すると、in vivo及びin vitroの両方で複製を阻止することが分かっているlacリプレッサー認識配列等のリプレッサー結合領域を制御配列として連結オリゴヌクレオチドの内側に配置することができる。複製の再開はイソフェニルチオガラクトシド(IPTG)やアロラクトース等の適切な開始剤の添加により行われる。本発明の鋳型を使用する合成の進行を制御できるように、他のDNA結合蛋白質認識部位も連結オリゴヌクレオチド内に加えることができる。他の制御可能な要素としては、合成反応で4種類の基本的ヌクレオシドポリリン酸のいずれとも対合しない非天然塩基(別称5番目の塩基)を連結領域内で使用することが挙げられる。このような塩基に遭遇すると、それ自体の特定相補配列を反応混合物に添加するまでポリメラーゼは休止する。同様に、連結オリゴヌクレオチド領域内の人工休止点としては、修復酵素を混合物に添加するまで複製停止を生じる「損傷」塩基が挙げられる。例えばピリミジンダイマーをもつ塩基位置を連結オリゴヌクレオチドの内側に含むことができる。このような化合物は複製複合体を休止させる。フォトリアーゼDNA修復酵素を添加すると、問題位置が修復され、複製とシーケンシングを続けることができる。] [0079] 他の各種オリゴヌクレオチドプローブの認識部位(例えば合成開始の他の指示を提供するために使用することができる標識プローブ、分子ビーコン、TaqMan(登録商標)プローブ、Invader(登録商標)プローブ(Third Wave Technologies,Inc.)等のハイブリダイゼーション部位)も場合によりこれらの連結配列に組込む。更に、合成とシーケンシングの開始点を提供するために、他の非天然塩基と相互作用/相補する非天然塩基を使用してもよい。] [0080] 場合により、エンドヌクレアーゼ認識部位を連結オリゴヌクレオチドの内側に配置し、所定鋳型配列を直鎖化し、ポリメラーゼを直鎖状鋳型から排出させることにより前記鋳型配列を合成反応から遊離させるメカニズムを機能させること、及び/又は鋳型をエキソヌクレアーゼ活性に暴露し、従って鋳型の除去により合成を終了することが望ましい場合がある。切断活性をもたず、配列特異的結合を維持するように構築されたエンドヌクレアーゼの特異的結合位置を配置することによりこのような部位を更に制御配列として利用することができる。] [0081] 場合により、ニッキング部位(例えばニッキングエンドヌクレアーゼにより認識される部位)を鋳型分子の一部の内側、特に鋳型の2本鎖部分の内側、例えば2本鎖フラグメント部分又は外来ヘアピン構造のステム部分に加えてもよい。このようなニッキング部位は2本鎖配列の一方の鎖に切れ目を入れ、例えば鎖置換型ポリメラーゼ酵素のプライミング位置を提供する。本発明の鋳型のコンテキストでは、例えば2本鎖標的フラグメントにアニール及びライゲーションされるヘアピン型アダプターの内側にニッキング部位を配置することができる。下記のような他の方法でも同様にニッキング部位を導入することができる。あるいは、ニッキングエンドヌクレアーゼを標的フラグメントに対してランダムに添加し、プライミングを開始することもできる。各種ニッキング酵素と認識配列が当分野で公知であり、このような酵素は一般に市販されており、例えばNew England Biolabsから市販されている。あるいは、鋳型構築物の作製に使用されるヘアピン型アダプターで予めニックした2本鎖セグメントを利用することもできる。このようなニックは用途の必要に応じて0〜20ヌクレオチドの2本鎖セグメントヌクレオチドにギャップを含むことができる。] [0082] IV.鋳型構造 上記に記載及び例証したような本発明の鋳型の基本的構成に加え、多数の他の構造要素も本発明の鋳型に組込むことができる。例えば、鋳型分子全体の相対寸法又は長さと、鋳型を構成する各種セグメントの寸法は所定用途で最適な効果が得られるように選択することができる。] [0083] 一般に、鋳型の総寸法は鋳型を使用する用途により決定される。一例として、所定鋳型をポリメラーゼによるシーケンシング法で使用する場合には、例えば鋳型全体の完全で好ましくは冗長なシーケンシングを確保するために、総鋳型寸法の選択に特定システムの読取り長の制限を考慮する場合がある。例えば、所定のポリメラーゼによるシーケンシング法が1000塩基の読取り長である場合には、少なくとも2倍の冗長度のシーケンシングの要件は連結オリゴヌクレオチドと標的セグメントの両方を含めて500塩基の鋳型となる。当然のことながら、開始/終了連結オリゴヌクレオチドの配置は知ることができ、標的配列の決定に無関係であるので、このセグメントの2倍の冗長度を得ることは必ずしも必要ではなく、従って、それに伴う鋳型寸法の増加を許容できる。所定の冗長シーケンシングの用途では、約50〜約500塩基の鋳型が望ましい場合もある。もっと長い読取り長が得られる他の用途、又は非冗長用途では、約200〜約50,000塩基長の鋳型を使用することができる。特定長について記載したが、当然のことながら、各種特定用途に応じて各種鋳型寸法を利用することができる。] [0084] 読取り長の問題に加え、鋳型全体が用途に特異的な構造要件に依存する場合もある。例えば、シーケンシング法がナノ構造反応領域を利用する場合には、反応領域内外への迅速な拡散を確保するように、小型の鋳型分子を準備することが望ましいと思われる。] [0085] 標的部分の寸法も鋳型を使用する用途に応じて変えることができる。例えば、ゲノムシーケンシング用途(例えば新規又は再シーケンシング法)では、異なるフラグメント間に必要な複製カバー率レベルを下げるために、長い標的セグメントが望ましい。特に、>100、好ましくは>200、更に好ましくは>500、>1000、更には>10,000ヌクレオチド長の鋳型フラグメントをシーケンシングできると、オーバーラップするフラグメントからのゲノムアセンブリに実質的な効果がある。特に、同一配列部分の必要な複製カバー率レベルは個々の配列読取りの寸法増加により低下する。] [0086] 読取長の長いシーケンシング用途での利点に加え、標的セグメントが大きいと、単分子シーケンシング法を使用して対合末端配列データが得られるという利点もある。要約すると、多くのシーケンシング法では、大きい標的フラグメントの両端に配置された配列を読取ることにより、比較的短い配列読取りの配列コンテキストを得ることができる。一般に、このためには、2本鎖標的セグメントのいずれかの末端の比較的短い塩基配列のシーケンシングが必要である。これらの2つの配列が同一標的分子に由来するという認識と、更に場合によりフラグメントの寸法の一般認識から、短い配列のコンテキストデータが得られる。対合末端シーケンシングは所定標的から2つの配列情報を提供するのに読取り長の短いシーケンシング法で顕著な利点があるが、配列データの整列に使用することができる非常に大きな核酸配列のコンテキスト「中間点」が得られるので、読取り長の長いシーケンシング技術でも有用である。] [0087] 本発明の鋳型配列のコンテキストでは、先ず標的部分の第1の末端から配列データを得ることにより単一鋳型の両端から配列データを容易に得ることができる。その後、プロセスが標的の他端に達するまで所定シーケンシングシステムに適した時間待機し、配列データ獲得を再開することができる。その結果、同一標的の対合末端から配列データを獲得している。当然のことながら、上記方法はシーケンシングシステムの総読取り長が例えば複合体の連続照射によりデータ収集法に影響される場合に特に有用である。(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許出願第2007−0161017号参照)。あるいは、鋳型上(例えばプライミングに使用されなかった1本鎖部分上)のある位置に可逆的に結合したブロッキング基等の鋳型配列内の反応停止点を利用することもできる。一例として、図2Bを参照すると、例えば1本鎖連結オリゴヌクレオチド部分216の最初のプライミング位置からセンス鎖214の一端を通って初期シーケンシング後に、データ獲得を停止し、鋳型に沿って例えばセンス鎖214を通って他方の元の1本鎖部分(例えば連結オリゴヌクレオチド部分218)までポリメラーゼを進行させることができる。連結オリゴヌクレオチドに結合した合成ブロッキング基を組込むと、アンチセンス鎖(例えば鎖212)の他端のシーケンシングの開始を制御できるようになる。従って、2本鎖セグメント全体の対合末端配列データが得られる。各種合成制御基を利用することができ、例えば1本鎖部分の1個以上の塩基のヌクレオ塩基部分と結合した大きなフォトレービル基を利用し、ポリメラーゼによる複製を阻害する方法や、漸進的合成を妨げる鎖結合部分、(本明細書の他の箇所に詳述するような)プライマーに含まれる非天然ヌクレオチド等が挙げられる。] 図2B [0088] あるいは、同様の鋳型分子(例えばPCR産物)の集団で利用される2個の連結オリゴヌクレオチド配列の各々でプライマー認識部位を利用することもでき、その後、各末端から別々にシーケンシングすることにより、同一2本鎖フラグメントの各末端から配列データを得ることができ、こうして所望の対合末端データを得ることができる。] [0089] 他方、診断シーケンシング用途では、DNAの小フラグメントの配列データのみを非常に高精度のシーケンシング法で提供することが必要な場合がある。このような用途では、より短い標的セグメントを利用すると、小さい環状鋳型に沿って複数回シーケンシングすることにより冗長性レベルを上げることができ、このような冗長性により所望の精度が得られる。従って、場合により、2本鎖標的セグメントは著しく短くすることができ、例えば10〜200、20〜100又は20〜50又は20〜75塩基長とすることができる。上記の目的では、塩基で表した標的セグメントの長さは2本鎖セグメントの1本の鎖の長さを意味する。] [0090] 鋳型分子に含まれる標的配列部分の長さに与える影響は用途により異なるが、鋳型の連結オリゴヌクレオチドないし1本鎖部分の長さと構造は用途に特異的な条件以外に構造要件にも少なくとも部分的に依存すると思われる。特に、最低限でも、連結オリゴヌクレオチドは2本鎖核酸セグメントの一方の鎖の3’末端と他方の鎖の5’末端の間に連結ループを形成できることが必要である。従って、主に連結オリゴヌクレオチドとして利用する場合、例えば大きな機能成分を付加しない場合には、連結オリゴヌクレオチドは一般に約4ヌクレオチド〜約100ヌクレオチド以上となるが、一般には4ヌクレオチド〜約20ヌクレオチドの連結オリゴヌクレオチドが好ましい。例えば、短い連結が望ましい場合には、連結オリゴヌクレオチドは4〜約8ヌクレオチド長とすることができる。] [0091] 上記構造要件に加え、所定の連結オリゴヌクレオチド部分がプライマー及び/又はポリメラーゼ結合部位となる場合には、このセグメントは望ましいプライマー長と複合体化したポリメラーゼに対応するために十分な長さでなければならない。従って、プライマー認識部位を含む連結オリゴヌクレオチドは一般に>約20塩基長、好ましくは少なくとも約36塩基長となる。場合により、例えばポリメラーゼ結合等に対応するために、1本鎖部分の内側でプライマーの片側又は両側に十分なスペースを提供することが望ましい場合もある。従って、場合により、1本鎖部分は上記よりも実質的に長くなり、例えば50塩基、80塩基、100塩基以上となる。] [0092] 鋳型はヘアピンループが小さいほど連結オリゴヌクレオチドの「オーバーヘッド」が鋳型構築物全体に占める割合は少なくなり、従ってシステムのシーケンシング機能を使用する割合も少なくなるという意味で鋳型としての効率が高くなるので、上記とは逆に、場合により、短い連結オリゴヌクレオチドが望ましい場合もある。従って、連結オリゴヌクレオチドは場合により20塩基長未満、好ましくは12塩基長未満となる。当然のことながら、高い効率で最適なプライマー結合を得たい場合には、連結オリゴヌクレオチドは一般に約20〜約100塩基長、好ましくは約20〜約80塩基長の範囲となる。更に、例えばセンス鎖とアンチセンス鎖を連結するヌクレオチドの数が異なる非対称連結オリゴヌクレオチドを1個の鋳型構築物内で使用することもできる。このような構築物は例えばサンプルセグメントを第1種の制限エンドヌクレアーゼで切断後に、切断部位/オーバーハング配列に相補的な第1のアダプター/連結ヘアピン配列とアニーリング/ライゲーション後、第2の制限エンドヌクレアーゼで処理した後、第2の切断部位/オーバーハングに相補的な第2の異なる寸法のヘアピン型アダプターとアニーリング/ライゲーションする反復工程により作製することができる。] [0093] V.鎖置換 上記のように、鋳型の相補的セグメントは例えば図2Bに示すように2本鎖として提供することができる。当然のことながら、このような場合には、鋳型依存的シーケンシング法の前又はその間に鎖分離を実施することが好ましい。例えば取込み法によるシーケンシングの場合には、鎖置換型ポリメラーゼ酵素の選択と使用により鎖分離を実施することが好ましい。種々の鎖置換型ポリメラーゼ酵素が容易に入手可能であり、例えば、Φ29ポリメラーゼ及びΦ29型ポリメラーゼ(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第5,001,050号、5,576,204号参照)、Bstポリメラーゼ(New England Biolabs製品)、及びその開示内容全体を全目的で本願に援用する同一名義の国際特許出願第WO2007/075987号、WO2007/075873号、WO2007/076057号に記載されているポリメラーゼが挙げられる。] 図2B [0094] このような鋳型と鎖置換型酵素の合成方法を図5に模式的に示す。図に示すように、完全連続鋳型500をプライマー配列502及び鎖置換型ポリメラーゼ504と複合体化し、4種類のヌクレオチド506又は所定の好ましい側面の場合には蛍光標識ヌクレオチドアナログと接触させる。合成が進むにつれてポリメラーゼ自体の活性は一方の相補鎖508を他方510から置換し、新生鎖512の合成が続く。合成(例えば鋳型1周の完全な1サイクル)が完了すると、元の鋳型500と新規合成ないし新生鎖512から構成される2本鎖環状配列が得られる。鎖置換型酵素はハイブリダイズした鎖(例えば新規に合成された新生鎖512)を置換し続けることができるので、合成と、暗意としてシーケンシング法は鋳型を複数回通って続けられ、コンセンサス配列決定用の複数の配列が得られ、一般に連続鋳型500に相補的な反復領域を含む長いコンカテマー分子を作製することができる。] 図5 [0095] あるいは、他のメカニズムを利用して合成前又は合成中に鎖分離を実施することもできる。例えば、反応混合物の温度上昇を使用して鋳型の2本鎖部分を溶融させ、この領域を通してプライマー伸長を実施することができる。当然のことながら、このような用途では、溶融と連続合成に必要な温度に好適な熱安定性ポリメラーゼ酵素を利用することが望ましいと思われる。多様な熱安定性ポリメラーゼが当分野で公知であり、この種の用途に適用可能であり、例えばTaqポリメラーゼとその変異体が挙げられる。] [0096] 熱調節開始法を使用する合成スキームを図6に示す。図に示すように、プライマー602を鋳型構造600に付け、非鎖置換型ポリメラーゼ酵素604と接触させる。鋳型は2本鎖構成で存在し、ポリメラーゼは相補鎖を置換することができないので、合成は容易に進行しない。所望点で2本鎖セグメントを分離すると、例えばプライマーを除去せずに2本鎖セグメントを溶融させるために十分な加熱(△Cとして示す)により、鋳型600の元の2本鎖部分を通って新生鎖606を合成することができる。当然のことながら、プライマー配列に加え、比較的融点の高い連結オリゴヌクレオチドの他の部分(例えば平均的な天然核酸配列よりも融点の高いGCリッチ配列)も利用することができる。新生鎖の存在により、元の鋳型の再ハイブリダイゼーションを防ぐために十分な2本鎖セグメントが複製されると、変性段階又は変性剤は最早不要になる。] 図6 [0097] 同様に当然のことながら、非鎖置換型酵素を使用する場合には、連続合成を阻止するように新生鎖を配置するので、一般に鋳型1周の完全な1サイクル後に一般に付加的鎖分離段階が必要になる。プライマー伸長の開始と同様に、別のトリガイベントの要件を満たすことにより、異なる鋳型シーケンシング段階を同期化する利点が得られる。あるいは、初期トリガイベント後に、途切れずに連続的な合成とシーケンシングを確保するように合成反応を高温に維持してもよい。] [0098] VI.配列アラインメント 上記に示唆したように、付加的利点として、本発明の鋳型構成は同一又は同種鋳型のコンセンサス配列決定に固有のアラインメントの可能性がある。特に、連結オリゴヌクレオチドは既知又は認識可能であるため、このような1個以上の鋳型からの長い配列データ列を整列させるのにこの既知配列を例えば目印又はレジストレーション配列として容易に利用することができる。更に、連結オリゴヌクレオチドの配列が分からないとしても、配列全体のうちで相補的部分をもたない部分を配列データのどこかで確認することにより配列を誘導することができる。特に、2本鎖セグメントとしての鋳型の標的配列部分は同一配列データ内に自己相補配列をもち、即ちセンス鎖とアンチセンス鎖をもつ。しかし、標的セグメントと連結オリゴヌクレオチドの長さによっては、連結オリゴヌクレオチドに対する厳密な相補配列が標的セグメント内に存在する確率はゼロまで低下する。従って、配列内のどこかに自己相補配列をもたない部分について所定鋳型構築物から誘導される配列データをスキャンし、これが連結オリゴヌクレオチドであると仮定し、従って、これをアラインメントマーカーとして利用することができる。] [0099] これを実施するための典型的なアルゴリズムの1例は次のように進められる。先ず、配列全体でそれ自体の逆相補配列に対するスミス・ウォーターマンアラインメントを実施する。逆相補配列とのアラインメントの有無に従って配列の領域に注釈を付けるようにアラインメント品質閾値を適用する。例えば当分野で公知のフーリエ変換法を使用するか、又は配列の同一のスミス・ウォーターマンアルゴリズムを逆相補配列ではなくそれ自体に対して適用することにより、配列の反復単位を同定する。第1段階からの注釈付けを1反復単位とし、総計する。次に全反復の統計を使用して配列インサートのより正確な同定を行うことができる。例えば、10回の反復では、逆相補配列に対して1回以下のヒットを示す領域を「マーカー配列」と呼ぶことができ、2回以上ヒットした領域を「ゲノム配列」と呼ぶことができる。用途の必要により厳密な閾値を決定することができる。] [0100] 他方、上記に示唆したように、識別可能な配列特徴をもつ配列を含むように結合ないし連結オリゴヌクレオチドを選択又は作製し、この配列に関連する連続鋳型配列と同一サンプル混合物中に混在する可能性のある他の鋳型配列との両方に関して、その識別を容易にすることもできる。特に、所定鋳型サンプルの由来を指示するために、バーコード等の配列マーカーを含む連結オリゴヌクレオチドを鋳型構築物で利用することができる。その後、区別可能な連結オリゴヌクレオチドタグを含む各種鋳型サンプルを1回のシーケンシング法での解析に備えてプールすることができる。その後、個々の鋳型から誘導される配列データを連結オリゴヌクレオチドタグの識別により元のサンプル作製法に帰属させることができる。] [0101] 特に、異なる核酸含有サンプルに多数の別個のサンプル作製法を実施する。これらの別個のサンプル作製法は異なる出発材料、例えば異なるサンプル(細胞、細胞培養液、患者等)、同一起源の材料の異なる部分、即ち異なるサイズ選択部分等、又は同一集団、細胞培養物等の異なる部分で実施することができる。ユニークな識別可能な別個の連結ヌクレオチド配列を鋳型構築物で利用することにより、別個の各方法に由来する鋳型にバーコードを付ける。] [0102] 次に統合シーケンシング反応でのシーケンシングに備えて各サンプルをプールする。各回のランからのシーケンシング出力は個々の分子に基づくので、鋳型分子に組込まれるバーコード配列によりシーケンシングデータをその起源に従って解析する。特に、各配列読取りは単分子に由来するので、その付加したアダプター配列内にバーコード配列を含むアダプター配列の配列に鋳型のインサート部分の配列を明白に関連付けることができる。従って、各鋳型配列を次にその起源(例えば特定サンプル、患者等)について調べる。] [0103] VII.連続鋳型作製 本発明の鋳型構造は多数の異なる方法で作製することができる。第1の典型的な方法では、2本鎖標的フラグメントを一端又は両端で別個のヘアピンループと連結し、本発明の鋳型構造を得る。このような方法はフラグメントの望ましくないコンカテマー化を減らし、作製物からランダムな核酸フラグメントを容易に除去できる簡易鋳型作製方法を提供する。例えば、完全に相補的な2本鎖核酸フラグメントを平滑末端ライゲーションによりヘアピン型アダプター配列と連結することができる。このような場合には、2本鎖フラグメントの各末端にどのアダプターがライゲーションするかを制御する能力が低いので、1種類のアダプターを利用すると望ましいと思われる。このような完全に相補的な2本鎖セグメントは平滑末端切断酵素を使用して作製することもできるし、制限酵素を使用してオーバーハングを生じた後に例えばクレノウフラグメント等を使用してオーバーハング1本鎖を埋めてもよい。] [0104] 本明細書に記載する他の方法では、2本鎖フラグメントの所定末端に所定アダプター種を制御可能にライゲーションするライゲーション法を利用することができ、従って、連結オリゴヌクレオチド内で識別可能な配列を使用できるようになり、鋳型の一端を他端から識別し易くなる。] [0105] このような方法の1例を図7に模式的に示す。図に示すように、1個以上の2本鎖核酸フラグメント(例えば2本鎖フラグメント700)を準備する。2本鎖フラグメントはより大きな標的核酸(例えばゲノムDNA、cDNA、DNAコンカテマー、及び/又は例えばPCRもしくはLCR増幅からの増幅産物等)の断片化により誘導することができる。次にヘアピン型アダプター710を2本鎖フラグメント700の各末端に付ける。図に示すように、ヘアピン型アダプター710の連結は2本鎖フラグメント700の各鎖の3’末端のユニークなオーバーハング配列720の存在により得られる。相補的オーバーハング配列722をヘアピン型アダプターに配置すると、2本鎖フラグメント700に対するヘアピン型アダプター710の特異的アニーリング及びライゲーションが可能になる。図に示すように、オーバーハング配列は各鎖の3’末端に一連のアデノシンヌクレオチドを付加する2本鎖フラグメントのA−テーリングの産物である。ヘアピン型アダプターの各々の3’末端の相補的チミジンセットにより特異的アニーリングが可能になる。他方、多数の異なる特異的オーバーハング配列を2本鎖フラグメントの末端に配置してもよい。例えば、特徴的オーバーハング配列を各切断点に残して2本鎖DNAのより大きいセグメントを断片化するために制限エンドヌクレアーゼを使用することができる。この特徴的配列に相補的な配列を次にヘアピン型アダプターに配置すると、特異的アニーリング及びライゲーションが可能になる。あるいは、オーバーハング配列として使用するために各鎖の3’又は5’末端に特異的オーバーハング配列を別々にライゲーションしてもよい。ヘアピンアニーリングに対する特異性を提供することに加え、オーバーハング配列はヘアピン型アダプターのアニーリングとライゲーションの前にフラグメントのコンカテマー化を防ぐ機能ももつ。アニーリング後に、標準ライゲーション法を使用してヘアピン型アダプターをフラグメントにライゲーションする。] 図7 [0106] 上記のように、付加的な特異性と他の利点がないのであまり好ましくないが、ヘアピン型アダプターを2本鎖フラグメントの末端にライゲーションするには平滑末端ライゲーションも利用できる。このような場合には、過剰量のヘアピン型アダプターの使用により鋳型フラグメントのコンカテマー化又は他の非特異的結合を避けることができる。あるいは、実質的に個々の分子を提供するようにエマルション内の個々の液滴をサイジングするエマルション反応を使用してもコンカテマー化に対して防御することができる。] [0107] 1代替方法では、代替ライゲーション法を使用して鋳型配列を形成し、本明細書に記載する鋳型構成を形成することができる。場合により、この代替ライゲーション法は例えば元の標的配列の一部ではない外来連結セグメントを組込むことができるが、他の場合には元の標的核酸の部分を使用して連結オリゴヌクレオチドを形成することもできる。内部配列を連結オリゴヌクレオチドとして使用する場合には、このような配列は1本鎖オーバーハング配列に由来するものでもよいし、平滑末端フラグメントの2本鎖部分に由来するものでもよい。] [0108] 元の標的セグメントに由来するか又は付加もしくはライゲーションした外来連結オリゴヌクレオチド配列の結果であるかに関係なく、どちらの場合も、2本鎖核酸セグメントの連続する3’及び5’末端の共有結合は例えば鋳型非依存的なdsDNA末端(TIDE)ライゲーション法を使用し、例えばcircligase酵素システムを使用して実施することができる。一般に、この方法はcircligase作用を可能にするために各セグメントの5’末端にリン酸基の存在が必要になる。5’リン酸の付加は例えばT4ポリヌクレオチドキナーゼ等を使用して酵素の作用によりフラグメントに実施することができる。あるいは、より大きな核酸の断片化により2本鎖セグメントを得るのではなく、合成又は別の鋳型から作製した場合には、例えば固相合成における初期構成要素等として元の標的配列の増幅に使用されるプライマー配列に合成工程中にリン酸化5’末端を形成することができる。] [0109] 図8は2本鎖フラグメントの3’及び5’末端の典型的な連結方法を模式的に示す。図に示すように、鎖802及び804から構成される標的配列の2本鎖フラグメント800を準備する。夫々2本鎖セグメント802及び804にオーバーハング配列806及び808を配置する。このようなオーバーハング配列は各種方法を使用してフラグメントに付加することができ、例えば末端トランスフェラーゼ処理によるポリAテール付加、このようなオーバーハング配列を含む標的フラグメントへのアダプター配列のライゲーション等の標準テーリング技術を使用することができる。また、2本鎖フラグメントに付加される配列として示すが、当然のことながら、このようなオーバーハング配列は断片化工程中に例えばより大きな核酸の制限エンドヌクレアーゼ消化から例えばオーバーハング配列として配置することができる。] 図8 [0110] 図に示すように、5’リン酸基810を各鎖に付け、2つの連続する末端のTIDEライゲーションと閉環を実施できるようにする。適切な閉環活性をもつリガーゼ(例えばCircligase ssDNAリガーゼ(Epicentre Biotechnologies,Madison WI)、T4RNAリガーゼ等)で処理すると、2本鎖標的の各末端は閉環し、本発明の完全連続鋳型配列812が得られる。] [0111] 2本鎖核酸フラグメントの5’リン酸化ヌクレオチドと3’ヒドロキシルの連結を実証するには、プロトコルに変更(5’リン酸の付加、MnCl2、ATPの存在及び60℃の反応温度で>1時間)を加えて市販Circligase酵素システムを利用した。PAGEによりモニターした処、得られた分子は(エキソヌクレアーゼIとエキソヌクレアーゼIIIの両方による)エキソヌクレアーゼ消化に耐性であり、得られた分子は両端が閉環していることが判明した。] [0112] オーバーハング配列を提供する方法として上記方法の代替方法はオーバーハング配列を保持する2本鎖核酸セグメントを作製するために増幅工程でブロックプライマーセットを利用する。特に、2本鎖DNAのセグメントを増幅するように増幅プライマー対を準備し、例えば反平行増幅用標的セグメントの相補鎖の両端からプライミングする。プライマー対は標的セグメントに部分的に相補的となるように構成され、1個以上の非天然ヌクレオチド(本明細書では「5番目の塩基」と言う)をその配列内にもつ。その相補配列を増幅混合物に加えずに5番目の塩基をプライマー配列に加えると、標的配列はプライマー配列に沿って標的を伸長できなくなり、従って、得られる2本鎖産物に1本鎖オーバーハング配列を保持する。同様に、増幅サイクルを繰返すと、増幅産物の実質的に全部に近い大部分でオーバーハング配列は2本鎖産物の両方の鎖に保持される。その後、これらの2本鎖セグメントを本明細書に記載する鋳型作製方法で使用することができる。] [0113] 上記方法の1例の模式図を図9に示す。図に示すように、プライマー902及び904を使用して2本鎖標的核酸セグメント900を反平行プライミングする(パネルI).図に示すように、各プライマーは標的配列900のその鎖に相補的な第1の部分906と、1個以上の非天然ヌクレオチドないし5番目の塩基を含む第2の部分908と、図に示すように標的セグメント900に非相補的な第3の部分910を含む。非相補的として示すが、これは方法の操作性には不要である。場合により、例えば第3の相補的部分910を使用すると、所望セグメントに相補的な2個のセグメントをもつプライマーにより所望標的セグメントに対するプライマーの親和性を高めると共に、非標的領域との結合の可能性を減らすことができ、5番目の塩基部分は標的セグメントと第1及び第3の部分のどちらのハイブリダイゼーションも過度に妨げない。5番目の塩基の相補配列の不在下で標準増幅法(例えばPCR)でプライマーを伸長させる。] 図9 [0114] パネルIIに矢印で示すように、各増幅産物に対するプライマー伸長は同一位置、即ち相補鎖中の5番目の塩基に相補的な位置で終結する。複数ラウンドの増幅(パネルIII)後、増幅産物はプライマーの5番目の塩基を含む部分(第2の部分908)と第3の部分(910)を含むオーバーハング配列をもつ相補鎖から実質的に構成され、アニールすると、2本鎖核酸912が得られる。] [0115] 次に各セグメントの5’末端にオーバーハング配列をもつ2本鎖核酸912で上記ライゲーション法(パネルIVに図示)を実施すると、本発明の連続鋳型914が得られる。] [0116] 当然のことながら、ライゲーション法に必要及び/又は望ましい官能基を含むようにプライマー配列を別々に合成及び構成することができる。例えば、TIDEライゲーション法で使用される5’リン酸基を含むようにこのようなプライマーを合成することができる。更に、例えば増幅プライミング部位906とは一部が異なるシーケンシングプライミング部位又は本明細書の他の箇所に記載するような他の機能的配列を例えば第3の部分910に含むように合成することもできる。更に、得られる連続鋳型構築物の連結オリゴヌクレオチド部分における5番目の塩基部分(例えば1個以上の非天然塩基)の存在は、標的配列の2本鎖セグメントの外側に更に別の指標及び/又は制御配列もしくは配列イベントを提供することができる。あるいは、領域910を部分的に自己相補的にしてステム−ループ構造を形成し、ブロックした伸長の3’末端に隣接するように5’末端を配置してもよい。その後、場合により例えば上記のような標準的なT4DNAリガーゼによる方法の基質として使用することができる。] [0117] 一例として、5番目の塩基の相補配列の不在下でシーケンシング反応を開始することができる。これは非天然塩基であるため、存在しなくても配列の標的部分の全体的な配列決定に影響しない。他方、この相補配列の反応を起こさないことにより、5番目の塩基相補配列を混合物に加えるまで合成を阻害し、従ってシーケンシング法を阻害し、システムのホットスタート機能を提供することができる。更に、非天然塩基として、鋳型構築物全体のこの部分は鋳型における天然塩基の配列合成を妨げないように構成することが可能なシーケンシング法及び工程の内部チェックを提供する。例えば、配列中の4種類の天然塩基の相補配列とは全く検出可能に異なるラベルを配列混合物中の5番目の塩基相補配列に付けることができる。その後、このようなラベルに関連する取込みシグナルが発生すると、方法が標的核酸の一方の鎖のプロセシングを開始しようとしていることを示す指標となる。同様に、方法が完全連続鋳型を何周したかを示す計時機能も提供することができる。「5番目の塩基」と言うが、当然のことながら、これは鋳型構造内に複数の制御成分を提供することができる1組の非天然塩基を含むことができる。例えば、シーケンシング法の進行を制御するように、2種類の異なる非天然ないし5番目の塩基を鋳型構造内の異なる点に加え、例えば制御下の開始を可能にすると共に、シーケンスの後期で例えばアンチセンス鎖のシーケンシング前に制御下の停止/開始を可能にする。例えば、シーケンシングを開始するために第1の非天然塩基の相補配列を添加することができる。例えばヘアピンの1周目で第2の非天然塩基と遭遇すると、この第2の塩基の相補配列を反応混合物に添加するまでシーケンシングは全反応で停止する。こうして、各種シーケンシング反応を再同調することができ、及び/又は他方の鎖のシーケンシングを制御することが可能になり、本明細書の他の箇所に記載するような対合末端シーケンシング構成が得られる。] [0118] 部分又は完全連続鋳型構築物の作製方法として類似ないし関連方法を図10に示す。特に、図に示すように、例えば本明細書の他の箇所に記載するように連結オリゴヌクレオチド1006により連結された夫々第1及び第2の相補的セグメント1002及び1004を含む第1の増幅プライマー配列1000を準備する。更に、増幅プライマー全体の3’末端に1本鎖標的プライミングセグメント1008を配置する。場合により、標的プライミングセグメント1008は所望の配列位置の近傍又はその内側でプライミングするように特に選択することができる。他の好ましい側面において、標的プライミングセグメントはシーケンシング用鋳型ライブラリーの作製に最適なカバー率を確保するように所定ゲノム又は他のDNA配列の内側でランダムにプライミングする。一例として、ランダムプライミングの場合には、標的プライミングセグメント1008は比較的小さいオリゴヌクレオチド(例えばヘキサマー、ヘプタマー、オクタマー等)から構成することができる。より特異的なプライミングでは、標的プライミングセグメントは一般に標的プライミングセグメント内に16、20又はそれ以上のヌクレオチドのオーダーのより大きなセグメントを含む。更に、このようなセグメントは一般に所望の標的配列に連続又は近接する既知配列セグメントに相補的な配列を含む。] 図10 [0119] 図10に示すように、第1の増幅プライマー1000を変性させ、標的核酸セグメント1010とハイブリダイズさせる。場合により、標的配列1010とまだアニールできるような条件下で変性されるようにプライマー1000を構成する。他の場合には、プライマーが例えば変性されずにそのヘアピン構造で存在する場合でも、標的セグメント1010のハイブリダイゼーションとプライミングを可能にするようにプライマーの構造を選択する。] 図10 [0120] 一例として、図に示すように、ステップAでは反応混合物を第1の増幅プライマー1000に適切な変性温度(例えば37℃)まで加熱し、プライマーを標的セグメント1010とアニールさせる。図に示すように、次に標的セグメント1010の等温増幅を実施し(ステップA及びB)、第1の増幅プライマーのヘアピン構造を各末端に付加した別の増幅可能な標的セグメント(ステップCのセグメント1012)を作製する。なお、図10には単線として示すが、当然のことながら、説明の目的では標的セグメント1010と増幅可能な標的セグメント1012を表す単線は相補的核酸のセンス鎖とアンチセンス鎖の一方又は両方を表す。] 図10 [0121] 次に例えばセグメント1002,1004,1006及び1008の1個以上に相補的な初期増幅プライマー配列1000に対する第2の増幅プライマー1014又はその相補配列を使用してこのセグメントを幾何級数的増幅(例えばPCR)に付し、増幅産物(例えば相補的鋳型セグメント1016及び1018)を得る。セグメント1012の増幅(ステップE)後、元の第1の増幅プライマーセグメント又は部分的にオーバーラップする等温もしくはPCR増幅プライマーセグメント又はその相補配列を増幅産物(例えば1016)内で再生させ、増幅産物の各末端にヘアピン構造を形成し(ステップE)、部分的に2本鎖の部分的に連続する核酸セグメント1020を形成する。次に、例えば非鎖置換型核酸ポリメラーゼ(例えばクレノウフラグメント)を使用して自己プライミング性の部分的に2本鎖のセグメントを3’伸長させた後にリガーゼ処理し、得られた3’末端を5’末端と連結することにより、これらの部分的に2本鎖のセグメント1020を完全連続セグメント1022に加工する(ステップF及びG)。ライゲーション後、増幅混合物を次にエキソヌクレアーゼ消化し、完全には連続していない核酸セグメント、例えばライゲーション又は完全伸長しなかった核酸セグメントを除去する。] [0122] 主に好ましくは例えばシーケンシング用途に鋳型として直接使用するものとして本発明の構築物を記載するが、当然のことながら、これらの構造はこのような構築物により提供される配列冗長度に一致する配列冗長度を提供する鋳型の作製における中間構造として利用することもできる。例えば、本明細書に記載する構造的に環状の核酸セグメントをローリングサークル型複製法で鋳型として使用し、環状核酸内に含まれる元の2本鎖セグメントのセンス鎖とアンチセンス鎖の両方の反復コピーを含むコンカテマー分子を作製することができる。その後、これらの複製産物を本明細書の他の箇所に記載するような鋳型依存的シーケンシング法で鋳型分子として直接利用することができる(その開示内容全体を全目的で本願に援用する米国特許第7,476,503号も参照)。同様に、複製法を利用し、従来記載されている方法を使用して作製した環状構築物の複数コピーを作製することもできる(例えば上記にその開示内容全体を全目的で本願に援用した米国特許出願第61/072,160号参照)。] [0123] 本発明の鋳型構築物の作製で使用される2本鎖核酸セグメントの作製は多数の手段により実施することができる。例えば、分析しようとするサンプルに由来する核酸を例えば下記のように公知断片化方法により2本鎖フラグメントに断片化することができる。あるいは、より大きな配列内の所望配列セグメントの双方向増幅によりサンプル核酸セグメントの標的領域から2本鎖鋳型を作製することもできる。特に、所望配列領域のフランキング部分で配列特異的PCRプライマーを利用し、反平行増幅を単独利用又は初期直線的増幅工程と併用することによりプライマーと結合した領域を増幅することができる。得られた増幅産物は該当2本鎖配列領域を含み、その後、更にプロセシングすると、本発明の鋳型構築物が得られる。] [0124] 上記のように、本明細書に記載する方法により提供される例えば単分子シーケンシング反応用の本発明の鋳型核酸はゲノムDNAから誘導することができる。ゲノムDNAは細胞溶解、脱蛋白およびDNA回収の3段階により任意原料から作製することができる。用途の要求、DNAの必要な収率、純度及び分子量、並びに原料の量と由来に合わせてこれらの段階を適応させる。ゲノムDNAの単離に関する更に詳細はBerger and Kimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methodsin Enzymology volume 152 Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger);Sambrook et al.,Molecular Cloning−A Laboratory Manual(3rd Ed.),Vol.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,2008(「Sambrook」);Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc(「Ausubel」);Kaufman et al.(2003)Handbook of Molecular and Cellular Methods in Biology and Medicine Second Edition Ceske(ed)CRCPress(Kaufman);及びThe Nucleic Acid Protocols Handbook Ralph Rapley(ed)(2000)Cold Spring Harbor,Humana Press Inc(Rapley)に記載されている。更に、細胞からゲノムDNAを精製するための多数のキットが市販されており、Promega製Wizard(登録商標)ゲノムDNA精製キット;BioRad製Aqua Pure(登録商標)ゲノムDNA単離キット;Invitrogen製Easy−DNA(登録商標)キット;及びQiagen製DnEasy(登録商標)組織キットが挙げられる。上記の代わり又はそれに加えて、先ずマイクロアレイ又は他の捕捉技術で標的核酸を1本鎖セグメントとして得た後に、捕捉した材料を増幅し、2本鎖サンプル材料を作製する標的捕捉プロトコルにより標的核酸セグメントを得ることもできる。種々のこのような捕捉プロトコルが例えばHodges E,et al.Nat.Genet.2007 Nov 4,Olson M.,Nature Methods 2007 Nov;4(11):891−2,Albert TJ,et al.Nature Methods 2007 Nov;4(11):903−5,及びOkou DT,et al.Nature Methods 2007 Nov;4(11):907−9に記載されている。] [0125] 本明細書に記載する方法により作製することができる例えば高スループットシーケンシングシステム用の核酸はcDNA(例えば真核対象又は真核対象に由来する特定組織から得られたmRNAから作製された例えばcDNA)から誘導することもできる。例えば高スループットシーケンシングシステムを使用してcDNAライブラリーに由来する核酸鋳型のシーケンシングから得られるデータは、例えば該当遺伝子の新規スプライス変異体の同定や、例えば該当遺伝子のスプライスアイソフォームの例えば異なる組織型、同一組織型の異なる処理又は同一組織型の異なる発生段階による発現差の比較に有用であると思われる。] [0126] mRNAは例えばSambrookとAusubelに記載されているプロトコルと方法を使用してほぼ任意原料から単離することができる。単離されるmRNAの収率と品質は例えばRNA抽出前に組織を保存する方法、RNA抽出中に組織を破壊する手段、又はRNAを抽出する組織型に依存し得る。RNA単離プロトコルは相応に最適化することができる。多数のmRNA単離キットが市販されており、例えばmRNA−ONLY(登録商標)原核mRNA単離キットとmRNA−ONLY(登録商標)真核mRNA単離キット(Epicentre Biotechnologies)、FastTrack 2.0 mRNA単離キット(Invitrogen)、及びEasy−mRNAキット(BioChain)が挙げられる。更に、各種起源(例えばウシ、マウス及びヒト)、及び組織(例えば脳、血液、及び心臓)に由来するmRNAが例えばBioChain(Hayward,CA)、Ambion(Austin,TX)、及びClontech(Mountainview,CA)から市販されている。] [0127] 精製mRNAを回収後、逆転写酵素を使用してmRNA鋳型からcDNAを作製する。例えば原核生物と真核生物から採取したmRNAからのcDNAの作製方法及びプロトコルはcDNA Library Protocols,I.G.Cowell,et al.,eds.,Humana Press,New Jersey,1997、Sambrook及びAusubelに詳述されている。更に、cDNAの作製用の多数のキットが市販されており、Cells−to−cDNA(登録商標)IIキット(Ambion)、RETROscript(登録商標)キット(Ambion)、CloneMiner(登録商標)cDNAライブラリー構築キット(Invitrogen)、及びUniversal RiboClone(登録商標)cDNA合成システム(Promega)が挙げられる。多くの企業(例えばAgencourt BioscienceやClontech)がcDNA合成サービスを提供している。] [0128] 本明細書に記載する本発明の所定態様では、核酸フラグメントをゲノムDNA又はcDNAから作製する。ゲノムDNA、cDNA、又はDNAコンカテマーから核酸フラグメントを作製する方法は多数のものが存在する。これらの方法としては限定されないが、超音波、機械的剪断、噴霧、水流剪断等の機械的方法;ヒドロキシル基、Cu(II):チオール錯体、ジアゾニウム塩等による処理等の化学的方法;エキソヌクレアーゼ消化、制限エンドヌクレアーゼ消化等の酵素的方法;及び電気化学的切断が挙げられる。これらの方法更にSambrookとAusubelに説明されている。] [0129] VIII.キット及びシステム 上記鋳型組成物と、このような組成物の作製及び使用方法に加え、本発明はこのような法と組成物の応用態様も提供する。] [0130] 例えば、所定態様において、本発明は本発明の鋳型構築物の作製と使用に使用されるキットを提供する。第1の典型的なキットは本明細書の他の箇所に記載するような本発明の鋳型構築物の作製用材料及び方法を提供する。従って、キットは一般に例えば上記に概説した各種鋳型作製法に従って本明細書に概説するような鋳型構築物を作製するために必要な材料を含む。当然のことながら、鋳型構築物の種類と使用する方法に応じてキット内容物を変えることができる。例えば、2本鎖核酸セグメントの末端に連結したヘアピン型アダプターを利用している場合には、本発明のキットは一般にこのようなヘアピン型アダプターと、このようなアダプターを2本鎖核酸の遊離末端に連結するための適切なライゲーション酵素及びプロトコルと、例えばオーバーハング又は平滑末端核酸を提供するようにライゲーション前に2本鎖セグメントの末端を処理するために望ましいと思われる任意プロセシング酵素を含む。上記のように、このようなアダプターは2本鎖セグメント上の相補的オーバーハング末端との連結を容易にするためにオーバーハングセグメントを含むことができる。これらのオーバーハング末端は例えば制限酵素切断、テーリング法等により2本鎖セグメントに既知配列を付加することにより得られ、これらの特徴をもつ鋳型の作製用試薬を場合によりキットに同梱してもよいし、商業ソースから入手してもよい。] [0131] 他の態様において、これらのキットは2本鎖核酸セグメントの2本の鎖の間に連結オリゴヌクレオチドを配置するために使用可能なオーバーハング配列を提供するためのプライマー又は他の配列アダプター又は配列伸長試薬を含むことができる。場合により、これらのキットは5’リン酸基を連結オリゴヌクレオチドに提供するための酵素システムを含むことができ、あるいはこのような5’リン酸基をプライマーに予め配置した増幅プライマーを提供することができる。このようなプライマーは更に、増幅法と得られた鋳型のシーケンシング用途における使用の両方を制御するために上記5番目の塩基構成を含むことができる。] [0132] 第2の典型的なキットは単に本発明の鋳型構築物の作製用ではなく、標的核酸配列の配列解析の実施にこのような鋳型を使用するための材料と方法を提供する。従って、上記材料及び方法に加え、このようなキットは更にこのようなシーケンシング法で使用される試薬(例えばシーケンシング法を開始するためのプライマー配列、ポリメラーゼ酵素、及び好ましい場合には核酸合成複合体の光閉込めを可能にする支持体)を含むことができる。特に好ましい側面において、このような支持体は一般にゼロモード導波管の1個以上のアレイを含む。このような導波管アレイは例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する公開国際特許出願第WO2007/123763号に記載されているように、このようなゼロモード導波管の照射容積内への合成複合体の局在を強化するための表面処理を更に含むことができる。更に、このようなキットは場合によりシーケンシング用のヌクレオチド組成物を含むことができ、例えばαリン酸以外のリン酸基でヌクレオシドポリリン酸構築物のリン酸基に蛍光又は他の検出可能な標識基を結合した標識ヌクレオチドが挙げられる。種々の他の型の標識及び非標識ヌクレオチドも場合によりキットに含むことができ、一般に当分野で公知である。] [0133] 本発明は更に標的核酸分子の分析を実施するために本発明の鋳型構築物と併用されるシステムも提供する。特に、このようなシステムは一般に本明細書に記載する試薬システムと、これらの試薬システムから配列情報を検出するための分析システムを併有する。例えば、利用するシーケンシング法の種類に応じて、シーケンシングシステムはIllumina,Inc.製ゲノム分析システム、454 Life Sciences製GSFLXシステム、又はLife Technologies,Inc.製ABI3730システム等の市販核酸シーケンシングシステムに同梱又はこれらのシステム用に販売されているシステムコンポーネントを含むことができる。] [0134] 好ましい側面において、このようなシステムは個々のシーケンシング複合体からの蛍光シグナルを分解することが可能な蛍光顕微鏡を含む。特に好ましい側面において、このようなシステムはシステムにより照射される反応領域のアレイ(例えばゼロモード導波管アレイ)を含み、各ZMW内で実施されるシーケンシング反応と連動してアレイから発生される蛍光シグナルを検出する。] [0135] 本発明のシステムは更に一般に、システムにより発生され、検出器から得られたシグナルデータ(例えばシーケンシング反応は標識ヌクレオチドを取込み、標識ヌクレオチドはシステムで照射されると、このような取込みを示す蛍光シグナルを発生する)をコンピュータ読取り可能な媒体(例えばハードディスク、CD、DVD又は他の光学媒体、フラッシュメモリーデバイス等)に格納するために、システムの検出部分に作動的に接続された情報プロセッサ又はコンピュータを含む。本発明のこの側面の目的では、このような作動的接続により、検出システムからその後の解析及び変換用プロセッサーへのデータの電子転送が得られる。作動的接続は種々の周知コンピュータネットワーク又は接続方法のいずれかにより実施することができ、例えばFirewire(登録商標)、USB接続、無線接続、WANもしくはLAN接続、又は好ましくは高データ転送率の他の接続が挙げられる。コンピュータは更に一般に、生シグナルデータをユーザが解釈可能な配列データに加工又は変換するために、生シグナルデータを解析し、取込みイベントに関連すると思われるシグナルパルスを同定し、シーケンシング反応中に取込まれた塩基を同定するソフトウェアを含む(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する公開米国特許出願第2009−0024331号参照)。] [0136] 典型的なシステムは例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する2007年9月14日付け米国特許出願第11/901,273号、及び2008年6月5日付け米国特許出願第12/134,186号に詳細に記載されている。] [0137] IX.実施例 本明細書に記載する鋳型構築物を以下に詳述する各種シーケンシング用途で利用した。] [0138] 実施例1:鋳型構築及びシーケンシング 取込みコンテキストによるシーケンシング用に本発明の鋳型構築物を作製した。特に、鋳型で単分子リアルタイム(SMRT(登録商標))シーケンシングを実施し、得られた新生鎖への取込みに標識ヌクレオチドアナログが使用される間に、プライマー配列のポリメラーゼによる鋳型依存的伸長をモニターした。 鋳型構築:] [0139] プライマー5’−GTACGGGTCTCACCCGGGGATCCTCTAGAATCGAT−3’及び5’−CCTAAGGTCTCGGAAGCTACTAGTCCTCAGCAAGCTT−3’を使用してプラスミドクローンからDNAの2本鎖フラグメントを増幅した。得られた産物をZymo−25PCR精製キットで精製した。制限酵素BsaI(NEB)の存在下で一晩インキュベートすることによりPCR産物の各末端にオーバーハングを作製した。Qiagen PCR精製キットを使用して消化産物を精製後、合成ヘアピン型オリゴ:5’−CGGGCTCGGAACGAAAGTTCCGAG−3’及び5’−CTTCGGTCGCCAGATTAGAAAATCAGTCACGTCTAGATGCAGTCAGGTTCTTAAATCCTAGTTCCTTGGCGACC−3’にライゲーションした。ライゲーションは消化したPCR産物を2倍量の各ヘアピン型オリゴと共にT4 DNA Ligase(NEB)の存在下で23℃にて1時間インキュベートすることにより実施した。反応混合物をエキソヌクレアーゼIIIの存在下で1時間37℃にてインキュベートすることにより、ライゲーションしなかった産物を除去した。Qiagen PCR精製キットを使用して最終産物を精製し、等モル量のシーケンシングプライマー:5’−CTGACTGCATCTAGACGTGACTGA−3’にアニールした。最終鋳型構築物は244ヌクレオチド2本鎖セグメントを含み、全長546ヌクレオチド(連結/ヘアピンセグメントを含む)であった。] [0140] 2nMDNAポリメラーゼ;100nM鋳型;500nM A647−dA6P,500nM A660−dC6P,500nM A568−dG6P,及び500nM A555−dT6P;0.5mM Trolox;4mMPCA(プロトカテキュ酸);並びに0.5X PCD(プロトカテキュ酸3,4ジオキシゲナーゼ)を使用してSMRT(登録商標)シーケンシング反応を実施した。] [0141] ZMWの3000個の別個のコアをもつゼロモード導波管アレイでシーケンシング反応を実施した。標的照射プロファイル(例えばコア毎に別個のスポット)が得られる高度多重化共焦点蛍光顕微鏡を使用して反応を観測した(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する2008年5月9日付け米国特許出願第12/151,979号参照)。各ZMWからの蛍光シグナルをEMCCDカメラで5分間検出し、パルス認識及びベースコール法に付した(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する公開米国特許出願第2009−0024331号参照)。図11はシーケンシングトレースを示し、鋳型構築物の周囲の700塩基の配列データから154塩基のコンセンサス情報が得られることが分かる。] 図11 [0142] 実施例2:単分子コンセンサスシーケンシング 本発明の鋳型構築物を使用して単分子コンセンサスシーケンシング精度を調べた。合計162ヌクレオチドを含む完全連続SMRTbell(登録商標)鋳型を作製した。連続鋳型の作製には2個のヘアピン型配列を使用した。第1の配列は8bpステムで閉環した54ntループと、インサートオリゴヌクレオチドに存在するオーバーハングとライゲーションするために使用される4ntオーバーハングから構成した。第2の配列は8bpステムで閉環した4ntループとライゲーション用の4ntオーバーハングから構成した。単分子シーケンシングシステムでシーケンシングすると、この鋳型の各鎖を複数回シーケンシングすることができる。得られた鋳型を上記のようなSMRT(登録商標)シーケンシングに付し、単分子構成の鋳型を複数回反復シーケンシングした。予想通り、単一鋳型分子の個々の反復配列読取りは複数読取りよりも精度の増加を示した。特に、単一鋳型分子の反復シーケンシングから得られた精度は各反復読取りないし「ループ」と共に増加し、鋳型を数周しただけで漸近的最大値に近づいた。] [0143] この分子冗長シーケンシングを一塩基変異の同定(例えばSNP)に応用した。1ヌクレオチド(「T」対立遺伝子及び「A」対立遺伝子として示す)のみが相違する2種類のSMRTbell(登録商標)鋳型を作製した。2種類の鋳型を図12に示し、T対立遺伝子をパネルAに示し、変異体塩基を矢印で示し、A対立遺伝子をパネルBに示す。2種類の鋳型を0%「A」:100%「T」から100%「A」:0%「T」までの既知比で混合した。各混合物で単分子シーケンシング反応を実施した。得られたシーケンシングデータのトレースをフィルタリングし、インサート配列の6個以上の読取りを含むものを抽出後、個々の分子で多形位置のコンセンサスコールを生成するために使用した。図13は読み出した多形比と予想比の比較を示す。] 図12 図13 [0144] 実施例3:連続鋳型構築物を使用したゲノム大腸菌シーケンシング 大腸菌株MG1655をATCCから購入し、LB培地で増殖させた。Qiagen製高分子量ゲノムDNA精製キットを使用して細胞培養液からDNAを採取した。ネブライザーを使用してゲノムDNAを剪断し、500〜1500bpサイズのフラグメントを作製した。QiagenPCR精製カラムを使用してフラグメントを回収した。T4DNAポリメラーゼ、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、及び各dNTPを含有する反応液中で断片化DNAを末端修復した。精製後、末端修復したDNAをTaq DNAポリメラーゼとdATPの存在下でインキュベートし、各フラグメントに1個のAヌクレオチドを付加した。次に、テーリングしたDNAをヘアピン型オリゴにライゲーションし、最終SMRTbell(登録商標)鋳型を作製した。鋳型の両端に1個のヘアピン構造を使用した。このヘアピンはAでテーリングしたインサートフラグメントへのライゲーションを可能にするように、8bpステムで閉環した54nt1本鎖ループと、3’末端1個のTヌクレオチドから構成した。] [0145] 一方もしくは他方の末端でヘアピンとライゲーションできないか、又は不完全なライゲーションによりニックを含むサンプル材料のフラグメントをエキソヌクレアーゼIIIとエキソヌクレアーゼVIIにより除去した。ライゲーション産物をエタノール沈殿により濃縮した後、ChromSpin 1000カラムにアプライし、インサートを含まないか又は短いインサートを含む鋳型を除去した。ChromaSpinカラムからの溶出液をQiagenPCR精製カラムを使用して精製し、260nmの吸光度により定量した。鋳型を等量のプライマーにアニールさせた後、シーケンシングした。] [0146] ZMWアレイチップに固定化する前に、50mM MOPS,pH7.5,75mM酢酸カリウム,0.05% Tween−20,5mM DTT,500nMALEXA568−O−dG6P,500nM ALEXA555−O−dT6P,500nM ALEXA647−O−dA6P,500nM Cy5.5−O−dC6P,1mM塩化カルシウムの緩衝液組成物中でビオチン化融合蛋白質タグを付けた10nM改変Φ29DNAポリメラーゼ(N62D,E375Y,K512Y,T368F)(例えばその開示内容全体を全目的で本願に援用する2008年3月31日付け米国特許出願第61/072,645号参照)と共に60nMSMRTbell(登録商標)DNAライブラリーを37℃で1時間インキュベートした。固定化の直前に混合物を同一の緩衝液組成物で10倍に希釈し、表面にストレプトアビジンを固定化したZMWチップに8μlをロードした。固定化は室温で1時間実施した。シーケンシングの前に、固定化混合物をZMWチップから除去した。50mM ACESpH7.1,120mM酢酸カリウム,0.1mM塩化カルシウム,120mM DTTの緩衝液8μlでチップを5回洗浄した。これらの洗浄段階後、50mM ACES pH7.1,120mM酢酸カリウム,0.1mM塩化カルシウム,250nM ALEXA568−O−dG6P,250nM ALEXA555−O−dT6P,250nM ALEXA647−O−dA6P,250nM Cy5.5−O−dC6P,及び120nM DTTの組成物で更に2回洗浄した。洗浄後、このヌクレオチドミックス4μlをチップに残し、チップを上記のようなシーケンシングシステムにセットした。MnOAcを終濃度0.5mMまで加えることにより反応を上記のようにリアルタイムで開始した。上記のようにシーケンシングデータを作製するために各ZMWチップで9分動画を3回撮影した。シーケンシングしたフラグメントをK12 MG 1665参照配列に整列させた。] [0147] 全体では、ゲノムの99.3%を明白にカバーする38倍カバー率まで大腸菌ゲノムをシーケンシングした。約4.5Mbpはカバー率が比較的高く(即ち>20倍カバー率)、Q61の配列精度スコアで約99.99992%の精度が得られた。完全ゲノムについて精度を測定した処、99.9996%であり、約Q54の品質スコアと同等であった。] [0148] 図14は大腸菌配列のカバー率マップを示す。複製起点から遠ざかることによる大腸菌複製の低下に関連する既知アーチファクトについてプロットを補正した。図に示すように、カバー率レベルは平均38倍カバー率レベルの付近で非常に均一である。カバー率レベルに対する塩基数のヒストグラムとしてプロットすると、データは理論的最大カバー率に同等の分布を示す(図15,パネルA参照)。更に、複製起点から遠ざかることによる複製変動について補正すると、実測配列カバー率(図15,パネルB,棒線)に基づく理論的最大配列カバー率ポアソン統計(破線で示す)に接近し始めることが分かる。] 図14 図15 [0149] 実施例4:大型インサートシーケンシング 大半のシーケンシングプラットフォームは読取り長が制限されており(パイロシーケンシングプラットフォーム及び従来のキャピラリーシステムでは数十塩基から数脚塩基)、ゲノム材料の大きな反復領域に対応しないため、所定配列読取りが一致し得る位置に関して配列データのゲノムアセンブリに曖昧さを生じるので、ゲノム材料の大きな反復セグメントをシーケンシングし、完全なゲノムに組立てることは従来困難である。SMRT(登録商標)シーケンシングとその実質的に長い読取り長を使用すると、個々の読取りで大きい読取りセグメント全体によりよく対応できるようになり、短い読取りシステムに伴う曖昧さを無くすことができる。] [0150] 2.56kbの厳密なリピートを含む大腸菌株MG1655のゲノム配列の一部を本明細書に記載する単分子法を使用するシーケンシングの標的とした。図16はこのセグメントを含む大腸菌ゲノムの部分の模式図である。反復セグメントをゲノム配列の上部に斜線で示す。この反復領域の周囲の配列を標的とするプライマーをゲノム配列の下に矢印で示す。得られたPCR産物をT4 DNAキナーゼでリン酸化後、QiagenPCR精製カラムを使用して精製した。dATPの存在下でTaqDNAポリメラーゼを使用してアデニンヌクレオチド1個を付加した後、T4DNAリガーゼを使用してヘアピン型オリゴヌクレオチドにライゲーションした。ExoIIIとExoVIIを使用して、ライゲーションしなかった材料を除去した。SMRTbell(登録商標)鋳型をエタノール沈殿により濃縮し、ChromaSpin 1000カラムに通した後、Qiagen MinEluteカラムを使用して精製した。] 図16 [0151] 次にSMRT(登録商標)シーケンシングを使用して鋳型をシーケンシングした。実質的部分に対応し、少なくとも1例では完全な3kbセグメント(〜3.2kb読取り)に対応する配列読取りを生成した。大型インサートに対応する単一配列読取りを提供することにより、このような反復に付随し得る曖昧さを著しく減らす。] [0152] 例証の目的で多少詳細に説明したが、当業者に公知又は認識される多数の変形も本発明の範囲内で実施できることは容易に理解されよう。本願に援用すると明記していない場合でも、本開示で言及する全刊行物及び特許文献はその開示内容全体を全目的で本願に援用する。] [0153] 米国仮特許出願第61/072,160号 米国仮特許出願第61/099,696号 米国仮特許出願第61/139,402号 米国特許第5,171,534号 米国特許第6,210,891号 米国特許第6,833,246号 米国特許第6,056,661号 米国特許第6,917,726号 米国特許第7,033,764号 米国特許第7,052,847号 米国特許第7,056,676号 米国特許第7,170,050号 米国特許第7,361,466号 米国特許第7,416,844号 米国特許出願第2007−0134128号 米国特許第7,041,812号 ヨーロッパ特許第1105529号 公開国際特許出願第WO2007/041394号 米国特許第6,498,023号 米国特許第6,451,563号 米国特許第7,368,265号 米国特許第7,302,146号 米国特許第5,001,050号 米国特許第5,576,204号 国際特許出願第WO2007/075987号 WO2007/075873号 WO2007/076057号 米国特許出願第2008−0009007号 米国特許出願第2007−0161017号 米国特許第7,476,503号 公開国際特許出願第WO2007/123763号 公開米国特許出願第2009−0024331号 米国特許出願第11/901,273号 米国特許出願第12/134,186号 米国特許出願第12/151,979号 米国特許出願第61/072,645号] 先行技術 [0154] Berger and Kimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methodsin Enzymology volume 152 Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger) Sambrook et al.,Molecular Cloning−A Laboratory Manual(3rd Ed.),Vol.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,2008(「Sambrook」) Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc(「Ausubel」) Kaufman et al.(2003)Handbook of Molecular and Cellular Methods in Biology and Medicine Second Edition Ceske(ed)CRCPress(Kaufman) The Nucleic Acid Protocols Handbook Ralph Rapley(ed)(2000)Cold Spring Harbor,Humana Press Inc(Rapley) Hodges E,et al.Nat.Genet.2007 Nov 4,Olson M.,Nature Methods 2007 Nov;4(11):891−2 Albert TJ,et al.Nature Methods 2007 Nov;4(11):903−5 Okou DT,et al.Nature Methods 2007 Nov;4(11):907−9 cDNALibrary Protocols,I.G.Cowell,et al.,eds.,Humana Press,New Jersey,1997、Sambrook及びAusubel]
权利要求:
請求項1 鋳型核酸セグメントにおけるヌクレオチドのコンセンサス配列の決定方法であって、鋳型核酸セグメントのセンス鎖とアンチセンス鎖を連続核酸分子に配置する段階と;ポリメラーゼによる鋳型依存的シーケンシング法でセンス鎖とアンチセンス鎖の両方をシーケンシングする段階と;センス鎖とアンチセンス鎖の配列から標的核酸セグメントのコンセンサス配列を決定する段階を含む前記方法。 請求項2 センス鎖とアンチセンス鎖を部分連続核酸セグメントに配置する請求項1に記載の方法。 請求項3 センス鎖とアンチセンス鎖を第1の連結オリゴヌクレオチドにより少なくとも第1の末端に連結する請求項2に記載の方法。 請求項4 センス鎖とアンチセンス鎖を完全連続核酸セグメントに配置する請求項1に記載の方法。 請求項5 センス鎖とアンチセンス鎖を夫々第1及び第2の連結オリゴヌクレオチドにより各末端に連結する請求項4に記載の方法。 請求項6 センス鎖とアンチセンス鎖の両方をシーケンシングする段階がセンス鎖とアンチセンス鎖の少なくとも一方を2回以上シーケンシングする段階を含む請求項1に記載の方法。 請求項7 シーケンシング段階が第1の連結オリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的なプライマー配列と連続核酸分子を接触させる段階を含む請求項4に記載の方法。 請求項8 センス鎖とアンチセンス鎖をシーケンシングする段階が完全連続核酸セグメントを2回以上シーケンシングする段階を含む請求項3に記載の方法。 請求項9 センス鎖とアンチセンス鎖をシーケンシングする段階が完全連続核酸セグメントを3回以上シーケンシングする段階を含む請求項4に記載の方法。 請求項10 ポリメラーゼによる鋳型依存的シーケンシング法がポリメラーゼにより取込まれた各ヌクレオチドの取込みを検出する段階を含む請求項1に記載の方法。 請求項11 取込みを検出する段階が個々のポリメラーゼにより取込まれた各ヌクレオチドの取込みを検出する段階を含む請求項1に記載の方法。 請求項12 第1及び第2の末端をもつ2本鎖核酸セグメントを含む鋳型核酸と;鋳型核酸の各鎖を第1の末端に連結する第1のヘアピン型オリゴヌクレオチドと;鋳型核酸の各鎖を第2の末端に連結する第2のヘアピン型オリゴヌクレオチドを準備する段階と;ポリメラーゼによる鋳型特異的核酸シーケンシング法を使用して鋳型核酸の少なくとも一方の鎖のヌクレオチド配列を決定する段階を含む核酸配列のシーケンシング方法。 請求項13 シーケンシング法が2本鎖核酸セグメントの各鎖をシーケンシングする請求項12に記載の方法。 請求項14 2本鎖核酸セグメントの各鎖からの配列データを比較し、2本鎖セグメントのコンセンサス配列を決定する段階を含む請求項13に記載の方法。 請求項15 シーケンシング法が2本鎖核酸セグメントの少なくとも一方の鎖を2回以上シーケンシングする請求項12に記載の方法。 請求項16 少なくとも一方の鎖を2回以上シーケンシングして得られた配列データを比較し、2本鎖核酸セグメントのコンセンサスヌクレオチド配列を決定する段階を含む請求項15に記載の方法。 請求項17 シーケンシング法が2本鎖核酸セグメントの各鎖を2回以上シーケンシングする請求項13に記載の方法。 請求項18 2本鎖核酸セグメントの各鎖を2回以上シーケンシングして得られた配列データを比較し、2本鎖核酸セグメントのコンセンサスヌクレオチド配列を決定する段階を含む請求項17に記載の方法。 請求項19 第1のヘアピン型オリゴヌクレオチドと第2のヘアピン型オリゴヌクレオチドの少なくとも一方がプライマー認識配列を含む請求項12に記載の方法。 請求項20 第1及び第2のヘアピン型オリゴヌクレオチドの少なくとも一方がレジストレーション配列を含む請求項12に記載の方法。 請求項21 鋳型核酸の2本鎖核酸セグメントに沿ってポリメラーゼによる鋳型特異的核酸合成を可能にする条件下でシーケンシング法を実施する請求項12に記載の方法。 請求項22 ポリメラーゼによる核酸合成が鎖置換型ポリメラーゼ酵素の使用を含む請求項21に記載の方法。 請求項23 第1及び第2の末端をもつ2本鎖核酸セグメントを含む鋳型核酸と;鋳型核酸の各鎖を第1の末端に連結する第1のヘアピン型オリゴヌクレオチドを準備する段階と;ポリメラーゼによる鋳型特異的核酸シーケンシング法を使用して鋳型核酸のヌクレオチド配列を決定する段階を含む核酸配列のシーケンシング方法。 請求項24 鋳型核酸を準備する段階がサンプル核酸の1領域の反平行増幅を含む請求項23に記載の方法。 請求項25 第1及び第2の相補的核酸鎖と;第1の核酸鎖の3’末端を第2の核酸鎖の5’末端に連結する第1の連結核酸と;第1の核酸鎖の5’末端を第2の核酸鎖の3’末端に連結する第2の連結核酸を含む鋳型核酸セグメントを準備する段階と;鋳型核酸セグメントの少なくとも一部に相補的なプライマー配列と鋳型核酸セグメントを接触させる段階と;鋳型依存的プライマー伸長をモニターし、鋳型核酸セグメントのヌクレオチド配列を決定する段階を含む核酸セグメントのシーケンシング方法。 請求項26 第1及び第2の相補鎖を含む2本鎖セグメントと、第1鎖の3’末端を第2のセグメントの5’末端に連結する少なくとも第1の1本鎖オリゴヌクレオチドセグメントを含む鋳型核酸を準備する段階と;鋳型依存的合成反応に取込まれるヌクレオチドをモニターし、第1鎖と連結オリゴヌクレオチドセグメントと第2鎖のヌクレオチド配列を同定する段階を含む核酸のシーケンシング方法。 請求項27 2本鎖標的核酸セグメントを準備する段階と;2本鎖標的核酸セグメントの第1鎖の3’末端を2本鎖標的核酸セグメントの第2鎖の5’末端に連結する第1の連結オリゴヌクレオチドを準備し、第2鎖の3’末端を第1鎖の5’末端に連結する第2の連結オリゴヌクレオチドを準備する段階と;第1及び第2の連結オリゴヌクレオチドの少なくとも一方の内側にプライマー認識配列を配置する段階を含む核酸配列決定用鋳型核酸の作製方法。 請求項28 第1及び第2の連結オリゴヌクレオチドが2本鎖標的核酸セグメントの末端にライゲーションされたヘアピン型アダプターオリゴヌクレオチドを含む請求項27に記載の方法。 請求項29 第1及び第2の連結オリゴヌクレオチドが標的核酸セグメントの第1及び第2鎖の各々の3’末端に1本鎖伸長オリゴヌクレオチドセグメントを含み;1本鎖伸長オリゴヌクレオチドセグメントの各々を2本鎖標的核酸セグメントの夫々第2鎖及び第1鎖の5’末端にライゲーションする段階を更に含む請求項27に記載の方法。 請求項30 鋳型核酸セグメントのコンセンサス核酸配列の決定方法であって、鋳型核酸セグメントのセンス鎖とアンチセンス鎖を連続核酸分子に配置する段階と;連続核酸分子を連続核酸分子の少なくとも一部に相補的なプライマー配列とポリメラーゼ酵素とに接触させ、複数種のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの存在下で核酸合成複合体を得、個々の複合体を光学的に分解可能に個々の核酸合成複合体を支持体上に配置する段階と;個々の複合体により鋳型依存的に核酸合成反応に取込まれたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログをモニターし、センス鎖とアンチセンス鎖の核酸配列を決定する段階と;センス鎖とアンチセンス鎖の核酸配列を比較し、鋳型核酸のコンセンサス核酸配列を決定する段階を含む前記方法。 請求項31 第1及び第2の末端をもつ2本鎖セグメントを含む鋳型核酸と;鋳型核酸の各鎖を第1の末端に連結する第1のヘアピンループと;鋳型核酸の各鎖を第2の末端に連結する第2のヘアピンループを作製する段階と;ポリメラーゼによる鋳型特異的核酸シーケンシング法を使用して鋳型核酸のヌクレオチド配列を決定する段階を含む核酸配列のシーケンシング方法。 請求項32 第1及び第2の相補的核酸鎖と;第1の核酸鎖の3’末端を第2の核酸鎖の5’末端に連結する第1の連結核酸と;第1の核酸鎖の5’末端を第2の核酸鎖の3’末端に連結する第2の連結核酸を含む鋳型核酸配列を作製する段階と;鋳型核酸配列を鋳型核酸の少なくとも一部に相補的なプライマー配列と接触させる段階と;鋳型依存的プライマー伸長をモニターし、鋳型核酸配列のヌクレオチド配列を決定する段階を含む核酸配列のシーケンシング方法。 請求項33 第1及び第2の相補鎖を含む2本鎖セグメントと、第1鎖の3’末端を第2のセグメントの5’末端に連結する少なくとも第1の1本鎖オリゴヌクレオチドセグメントを含む鋳型核酸を作製する段階と;鋳型依存的合成反応に取込まれたヌクレオチドをモニターし、第1鎖と連結オリゴヌクレオチドセグメントと第2鎖のヌクレオチド配列を同定する段階と;鋳型核酸のヌクレオチド配列をコンピュータ読取り可能な媒体に記録する段階を含む核酸のシーケンシング方法。 請求項34 複数の別個の核酸サンプルの各々から鋳型核酸セグメントを作製する段階(なお、鋳型核酸セグメントは核酸サンプルの2本鎖セグメントを含み、2本鎖セグメントの第1鎖は連結オリゴヌクレオチドにより2本鎖セグメントの第2鎖に連結され、各別個の核酸サンプルの連結オリゴヌクレオチドはユニークな識別可能な配列特徴を含む)と;複数の別個の核酸サンプルからの鋳型核酸セグメントをプールする段階と;プール段階でプールした鋳型核酸セグメントをシーケンシングする段階と;シーケンシング段階で同定されたユニークな識別可能な配列特徴に少なくとも部分的に基づいて別個の核酸サンプルに由来する核酸配列を同定する段階を含む核酸サンプルのシーケンシング方法。 請求項35 第1鎖セグメントと、第1鎖セグメントに実質的に相補的な第2鎖セグメントを含む2本鎖核酸セグメントと;第1鎖セグメントの3’末端を第2鎖セグメントの5’末端に連結する少なくとも第1の連結オリゴヌクレオチドセグメントを含む鋳型核酸と;鋳型核酸の少なくとも一部とハイブリダイズし、ポリメラーゼによる核酸合成を開始することが可能なプライマー配列と;ポリメラーゼ酵素を含有する組成物。 請求項36 プライマーが第1の連結オリゴヌクレオチドセグメントの一部とハイブリダイズすることが可能である請求項35に記載の組成物。 請求項37 更に第1鎖の5’末端を第2鎖の3’末端に連結する第2の連結オリゴヌクレオチドセグメントを含む請求項35に記載の組成物。 請求項38 鋳型とプライマーとポリメラーゼが複合体として存在する請求項35に記載の組成物。 請求項39 複合体が支持体表面に固定化されている請求項38に記載の組成物。 請求項40 複合体が個々の複合体を相互に光学的に分解可能に支持体表面に固定化されている請求項39に記載の組成物。 請求項41 個々の複合体が別個のゼロモード導波管の内側に固定化されている請求項40に記載の組成物。 請求項42 複合体がプライマー配列又はポリメラーゼの一方と支持体の表面の結合により支持体表面に固定化されている請求項39に記載の組成物。 請求項43 支持体に1本以上のゼロモード導波管が配置されており、複合体が1本以上のゼロモード導波管のコアの内側に固定化されている請求項39に記載の組成物。 請求項44 更に検出可能なラベル成分で標識された複数種のヌクレオチドアナログを含有する請求項35に記載の組成物。 請求項45 検出可能なラベル成分が蛍光部分、エネルギー供与体部分、蛍光クエンチャー部分、FRET供与体、FRET受容体、及び蛍光ナノ結晶の1種以上を含む請求項44に記載の組成物。 請求項46 第1の連結オリゴヌクレオチドと;第1の連結オリゴヌクレオチドの少なくとも一部に相補的なプライマー配列と;第1の連結オリゴヌクレオチドを2本鎖鋳型の第1鎖の3’末端と2本鎖鋳型核酸の第2鎖の5’末端に連結するための1種以上のライゲーション試薬を含む鋳型作製キット。 請求項47 鋳型核酸と、ポリメラーゼ酵素と、鋳型配列の少なくとも一部に相補的なプライマー配列を含む複合体であって、鋳型配列がセンス鎖とアンチセンス鎖をもつ2本鎖セグメントと、センス鎖の5’末端をアンチセンス鎖の3’末端に連結する少なくとも第1の連結オリゴヌクレオチドを含む前記複合体を含む反応混合物と;検出可能な標識基を付けた少なくとも第1のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログと;ポリメラーゼによるプライマー伸長産物への第1のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの取込みを検出するように構成された検出システムを含む核酸鋳型のシーケンシングシステム。 請求項48 更に検出システムに作動的に接続されたプロセッサを含み、前記プロセッサが検出システムからプロセッサに転送されたシグナルデータをユーザにより解釈可能な核酸配列情報に変換するためのマシン搭載命令セットを含む請求項47に記載のシステム。
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